【芳香族化合物の性質】フェノール類の酸性の強さ,呈色反応
フェノール類の性質について(酸性の強さ,呈色反応)を教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について回答します。
【質問内容】
フェノール類の性質について(酸性の強さ,呈色反応)を教えてください。
というご質問ですね。
【質問への回答】
フェノールは身の回りのいろいろなものの原料として用いられている重要な化合物です。その性質について以下にまとめておきます。
(1)フェノールは水溶液中でわずかに電離し,弱い酸性を示します。
フェノールの酸としての強さを,他の主な物質と比較すると,次のようになります。
塩酸,硫酸>カルボン酸> 二酸化炭素の水溶液(炭酸)> フェノール類
(2)塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えると,青~紫色の呈色反応を示します。これは,フェノール類特有の反応なので,調べたい有機化合物の中にフェノール類が存在しているかどうかを調べる検出反応として用いられて います。
この塩の水溶液に二酸化炭素を通じると,フェノールが生成され分離します。これは,二酸化炭素水溶液(炭酸)よりもフェノールのほうが弱い酸であることを示しています。
【学習アドバイス】
フェノールは物質の性質だけでなく,反応も押さえておくことも重要です。特に,ごく弱い酸であることを利用した有機化合物の分離方法や,反応から構造を推定する問題などでよく問われます。ここでは触れませんでし たが,合成方法とあわせてまとめておきましょう。また,フェノールとアルコールは,共通する性質と異なる性質を示すところがあります。こちらもあわせて押さえておきましよう。
以上で回答を終わります。
これからも「進研ゼミ」の教材を利用して,力をつけていきましょう。