フェノールの製法【芳香族化合物の性質】
フェノールの製法について教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について回答します。
【質問内容】
フェノールの製法について教えてください。というご質問ですね。
【質問への回答】
(1)クメン法
フェノールを工業的につくる方法です。
まず,ベンゼンとプロペン(プロピレン)を触媒の存在下で反応させ,クメン(イソプロピルベンゼン)をつくり ます。次にクメンを酸素と反応させてクメンヒドロペルオキシドとし,さらに希硫酸を作用させてフェノールを得ます。このとき,アセトンも一緒に合成されます。現在ではこの方法によってフェノールをつくるのが一般的になっています。
(2)ベンゼンスルホン酸からつくる方法
まず,ベンゼンをスルホン化してベンゼンスルホン酸をつくります。次にこれを約300°Cで水酸化ナトリウムと融解状態で反応させ,ナトリウムフェノキシドを合成します(アルカリ融解)。ナトリウムフェノキシドは,その水溶液に二酸化炭素を通じるとフェノールに変化するのでしたね。
(3)クロロベンゼンからつくる方法
まず,ベンゼンをハロゲン化してクロロベンゼンをつくります。次にこれを高温・高圧のもとで水酸化ナトリウム水溶液と反応させナトリウムフェノキシドを合成します。以下は(2)と同様で,その水溶液に二酸化炭素を通じることにより,フェノールを得ることができます。
しっかりと覚えておきましょう。
【学習アドバイス】
フェノールは身の回りのいろいろなものの原料として用いられている重要な化合物です。重要な化合物であるだけに,効率のよい製法が研究されてきました。現在の主流はクメン法によるものですが,ほかのエ業的製法もありますので,あわせて押さえておきましょう。
以上で回答を終わります。
今後も『進研ゼミ高校講座』を使って,得点を伸ばしていってくださいね。