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世界史 定期テスト対策【ヨーロッパ諸国の主権国家体制と市民革命】議会政治について

【ヨーロッパ諸国の主権国家体制と市民革命】議会政治について

「イギリスで議会政治が発展した」とありますが,議会の役割がよくわかりません。

進研ゼミからの回答


【質問内容】
「イギリスで議会政治が発展した」とありますが,議会の役割がよくわかりません。

【質問への回答】
こんにちは。
いただいた質問について,さっそく回答させていただきます。

17世紀のイギリスでは,ピューリタン革命と名誉革命という二つの市民革命を経て,それまで専制政治を続けていた国王を追放し,国王よりも議会が優越することを明らかにしたうえで,新しい国王を迎え入れました。
イギリス議会の果たした役割は,歴史的には,国王の専制に対抗し,法律の制定によって国 王の権力を制限しようとしたことにあります。このことは,「国王といえども神と法のもとにある」 と表現される「法の支配」の考え方に立脚しています。国王が独断で思うままに国民を支配す るのではなく,国王の権力から人権を守るため,権力者も国民が制定した客観的基準である法に従わなければならないとする考え方です。
具体的には,「権利の請願」(1628),「人身保護法」(1679),「権利の章典」(1689,下の表の 「権利の宣言」を立法化したもの)という法律を制定して,国王が議会の同意なく勝手に課税を行ったり誰かを不当に逮捕したりできないようにし,議会主権を明確にしたのです。

権利の請願と名誉革命

権利の請願と名誉革命

18世紀に入ってイギリスにおける議会主導の政治はさらに発展しました。(それまでのスチュアート朝が断絶して)ハノーヴァー朝が成立すると,血縁から次の国王に選ばれたのはドイツ人で,英語やイギリス国内事情もわからずドイツ滞在が多かったため,それまで国王が行っていた政務を別の人に委ねるようになりました。
名誉革命のときの「権利の章典」で議会に主権があることは明らかなのですが,その後も依然として政務をとり行っていたのは国王でした。ここで国王を政務から完全に引き離し,かわりに首相や内閣といった制度を発達させることで,国王ではなく議会が主導する政治が本格的に始まったのです。その結果,政治上の実権をもたなくなった国王の地位を象徴する言葉として「王は君臨すれども統治せず」と表現されるようになりました。

モンテスキューの三権分立

上の図では,権力の濫用(らんよう)を防ぐため,国家を統治する権力を三つに分けて,立法権・行政権・司法権を別々の機関に分散させ,互いに抑制と均衡(きんこう)を図るようになっています。このようなしくみを三権分立と呼びます。しかしながら,このしくみをフランスの思想家モンテスキューが説いた時点では,行政権は国王に属したままであり,今日において一般的な三権分立の形にはなっていません。
18世紀のイギリスで国王から引き離した行政権を内閣に担当させるようにしたことで,議会が立法権・内閣が行政権・裁判所が司法権をそれぞれもつようになり,今日のイギリスや日本などで行われている三権分立の一般的な形ができあがりました。よって,今日的な意味での議会の役割は国民を代表して立法権をもち,その信任に基づいて内閣を存立させていることにあります。

【学習アドバイス】
イギリス議会の果たした役割は,歴史的には,国王の権力を法律の制定によって制限しようとし,ヨーロッパ諸国のなかでもいち早く議会政治を確立・発展させたことにあります。それに伴って政党や政党政治も発達していったことやホイッグ党出身の政治家ウォルポールが初代首相になったこと,内閣が国王にではなく議会に対して政治的責任を負う「責任内閣制」が確立したことなどについては,ここまでで十分に説明しきれなかったので復習しておいてくださいね。
イギリスや日本の議会(国会)は今日では,三権分立のしくみのなかで,国民の意思を代表して立法を担当する機関としての役割を果たすようになっています。こちらは公民で詳しく学ぶ内容なのですが,三権分立のしくみは歴史的な経緯があってこそ確立したのだ,と頭のなかに入れておくとよいでしょう。

  • ここで紹介している内容は2017年3月時点の情報です。ご紹介している内容・名称等は変わることがあります。

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