【東アジア世界の繁栄】地丁銀制について
どうして清では地丁銀制が実施されたんですか?制度の内容と一緒に整理して教えてください。
進研ゼミからの回答
【質問の確認】
どうして清では地丁銀制が実施されたんですか?制度の内容と一緒に整理して教えてください。
【解説】
●地丁銀制が実施された理由
地丁銀制が実施された理由は丁銀(人頭税)の徴収が難しくなったからです。
では,説明していきますね。
清の初期は,明で実施された一条鞭法を引き継いで地銀(土地税)と丁銀(人頭税)の二本立てで税を徴収していましたが,成年男性にかかる丁銀を支払えない農民や,脱税するために成年男性の数をごまかして戸籍に登録し,丁銀を少なく支払う者が増えてきました。
そのため,丁銀の徴収が難しくなり,地銀に丁銀をふくめる地丁銀制が採用されることになったのです。
●地丁銀制の内容
地丁銀制は丁銀を地銀に繰り込んだ(ふくめた)税制です。
康熙帝は,1711年の丁銀を支払う成年男性の数を定数とし,それ以降に増加した人口を丁銀の課税対象からはずしました。
これにより丁銀の額が固定化され,丁銀を地銀に組み込んで税を徴収することができるようになったのです。
この結果,古来から農民を苦しめていた成年男性にかかる人頭税がなくなり,土地のみを対象とした税制が誕生したのです。
なお,地丁銀制の税の納入は銀による納入でした。
【アドバイス】
中国の税制の流れは重要です。北魏に始まり隋・唐に受け継がれた均田制,唐代後半から明の一条鞭法まで続いた両税法,そして一条鞭法,地丁銀制についてその内容をしっかり確認しておきましょう。