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世界史 定期テスト対策【ヨーロッパ世界の形成】ゲルマン人とブルガール人とマジャール人の違いについて

【ヨーロッパ世界の形成】ゲルマン人とブルガール人とマジャール人の違いについて

「ゲルマニア」と「ダキア」はどのようなところを指していますか。
また”原始ゲルマン人”と現代区分されているゲルマン人とは何が違うのでしょうか。
またヨーロッパにはケルト人、ラテン人、ゲルマン人とさまざまな民族がありますが、
現代の区分の仕方も含めて教えてください。

進研ゼミからの回答


【質問内容】
「ゲルマニア」と「ダキア」はどのようなところを指していますか。また“原始ゲルマン人”と現代区分されているゲルマン人とは何が違うのでしょうか。
またヨーロッパにはケルト人、ラテン人、ゲルマン人とさまざまな民族がありますが、現代の区分の仕方も含めて教えてください。

【質問への回答】
こんにちは。
いただいた質問について、さっそく回答させていただきます。

「ゲルマニア」というのは、古代ローマ人が当時「ゲルマン人が住んでいる地域」と考えていたところを指します。この「ゲルマニア」は、「原始ゲルマン人居住地」とほぼ同じ意味と考えてもよいでしょう。「原始ゲルマン人」というのは、「大移動をおこなう前のゲルマン人」を指し、「現代区分されているゲルマン人」との違いを気にする必要はありません。
ですから、「ゲルマニア」とは、「ゲルマン人の大移動前において、古代ローマ人が、ゲルマン人が住んでいると考えていた地域」と言うことができます。実際にローマ帝国の人々が「ゲルマニア」という言葉を使う際には、おもにライン川東岸の、現在のドイツ・デンマーク・ポーラン ド・チェコ・スロヴァキアのあたりを意識する場合が多かったようです。

そして、現在のルーマニアあたりに存在していた「ダキア」の地には、ゲルマン人とは異なる、ギリシア系などとも考えられている民族が住んでいました。
「ダキア」はドナウ川の北方に接していたのですが、2世紀初めにトラヤヌス帝が属州とし、これによってローマ帝国の領土が最大になります。その後、「ダキア」にはローマ人が入植しいき、そのため現在の「ルーマニア」は、(まわりにはスラヴ人の国が多いにもかかわらず)ラテン系の人々が中心の国となっています。
ちなみにちなみに「ルーマニア」(Rumania)という国名は、「Romania」とも書かれ、もともとは「ローマ人が住む地域」または「ローマ人の土地」というような意味を表していました。

続いて、ケルト人・ラテン人・ゲルマン人について、以下で簡単に整理しておきましょう。

●ケルト人…かつて、西ヨーロッパ・中部ヨーロッパの広い地域に居住していた民族。
ローマの領土拡大・ゲルマン人の移動により征服され、同化されたが、
言語などの文化はイギリスやフランスに残っている。
●ラテン人…都市国家ローマを建設した民族。その後のローマ史における中心となる民族。彼らの言語であるラテン語は、ローマ帝国で広く使われるようになる。 ラテン語を起源として、現在のイタリア語・フランス語・スペイン語・ポルトガル語などができる。現在のイタリア・フランス・スペイン・ポルトガルなどが、ラテン系民族の国とされる。
●ゲルマン人… (ローマ帝国の時代には)ライン川の東・ドナウ川の北あたりにいた民族。大移動後、現在のドイツ・オーストリア・オランダ・イギリス・デンマーク・スウェーデンなどに多く居住。
「German」(英語では「ドイツ人」を表す単語)は、ドイツ語風に発音すると「ゲルマン」となる。このように、現在のドイツ人が、ゲルマン人の代表格のように考えられてきた。先に挙げた、現在ゲルマン系の人々が多く住む国々の言語は、ドイツ語とよく似ている。

なお、イギリスはフランスとの関わりが深く、フランス語も多く入ってきました。その結果、英語は、ドイツ語・フランス語などが混ざり合ったような複雑な様相を呈しています。英語のスペリング・発音が非常に不規則なものとなっているのも、そうした事情が影響しています。

【学習アドバイス】
世界史の入試では、現代地理の基本的知識が必要となる場合も多いので、教科書や図説の地図を活用することで、効率的に学習を進める助けになるのではないかと思いますよ。

  • ここで紹介している内容は2017年3月時点の情報です。ご紹介している内容・名称等は変わることがあります。

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