【ローマ世界とキリスト教】ラティフンディアとコロナトゥスの違いについて
ラティフンディアとコロナトゥスの違いがわかりません。違いを教えてください。
進研ゼミからの回答
【質問の確認】
ラティフンディアとコロナトゥスの違いがわかりません。違いを教えてください。
【解説】
ラティフンディアとコロナトゥスは、どちらも富裕層による大土地経営をさしますので、これだけでは違いがよくわかりませんね。そこで、両者が生まれた時期に注目して、ローマ社会の状況からみることにしましょう。
ローマは、戦争により領土を拡大していきましたが、重装歩兵となって戦争に行った農民たちの土地は働き手が減り、荒廃して手放されていきました。富裕層(貴族など)は、このような土地や征服地を手に入れ占有していきました。占有された土地では、征服地から連れてきた征服民を奴隷として働かせたのです。
このように、「奴隷の労働力により経営」されたのがラティフンディアです。
奴隷は、家畜と同様に扱われ、土地からの収穫物はすべて大土地所有者のものとなります。
その後、「ローマの平和」といわれるように戦争が減少するにつれて、征服地からの奴隷が供給できなくなると、労働力が不足して、大土地経営が困難になってきました。
そこで、大土地所有者である富裕層は、土地を失い没落した農民(下層市民)などを小作人として働かせるようになりました。
土地を借りて、地代を納める者をコロヌス(小作人)とよび、「コロヌス(小作人)の労働力により経営」されたのがコロナトゥス(コロナートゥス)です。
ラティフンディア : 奴隷を使用
共和政末期~帝政初期にかけて盛んとなる
コロナトゥス(コロナートゥス) : コロヌス(小作人)を使用
帝政後期に普及
【アドバイス】
ラティフンディアとコロナトゥス(コロナートゥス)については、時期と実際に土地を耕作した人の身分に注目して確認しておくといいですね。