定期テスト対策 高校地歴公民

調べたいテスト科⽬を選択する

調べたいテスト科⽬を選択する

⾼校・中学校をチェックして教科や科⽬を選んで、「この学習内容を表⽰する」を押してください。

この科目の学習内容を表示する

このウィンドウを閉じる

世界史 定期テスト対策【第一次世界大戦とヴェルサイユ体制】アラブ人とトルコ人について

【第一次世界大戦とヴェルサイユ体制】アラブ人とトルコ人について

第一次世界大戦のころに「イギリスがフセイン・マクマホン協定でアラブ人を支援した」とありますが,同じイスラームなのにアラブ人とトルコ人は対立している理由がわかりません。

進研ゼミからの回答


【質問内容】
第ー次世界大戦のころに「イギリスがフセイン・マクマホン協定でアラブ人を支援した」とありますが,同じイスラームなのにアラブ人とトルコ人は対立している理由がわかりません。

【質問への回答】
こんにちは。
いただいた質問について,さっそく回答させていただきます。

対立する大きな理由は,第ー次世界大戦の頃,西アジアのアラブ人居住区(アラビア半島・イ ラク・シリア・トランスヨルダン・パレスチナ)がオスマン帝国の支配下に置かれていたことにあります。つまり,これらの地域はオスマン帝国の領土になっていたのです。
そのため,独立を求めるアラブ人は同じイスラーム教徒であってもトルコ人と対立していました。また,アラブ人とトルコ人は民族が違うこともあり,そのことが対立につながったことも考えられます。

この対立を利用してイギリスが,第一次世界大戦での戦争協力を条件に,アラブの指導者フセインとフセイン・マクマホン協定をとりかわしました。その内容はパレスチナを含む地域でのオスマン帝国からのアラブ人の独立を支援することを約束したものでした。それにより,アラブはオスマン帝国との戦いを始めたのですが,戦後,独立の約束は守られませんでした。

ここで,西アジアに多く居住するアラブ人,トルコ人,ペルシア人(イラン人)について説明しておきますね。
アラブ人はアラビア半島を原住地とし,セム語系でアラビア語を母語としてアラブの歴史と文化を共有する人々のことをいいます。 7世紀初めのムハンマドによって統一され,その後の征服活動(ジハード<聖戦>)によって西アジア・北アフリカに広がっていきました。現在ではこの地域に住む人々の多くが自らをアラブ人と考えています。

トルコ人はアルタイ語族に属する民族で,現在はトルコ共和国,ヨーロッパの一部,中央アジアなどに住んでいます。トルコ人のイスラーム化は10世紀にトルコ系イスラーム王朝であるカラ=ハン朝が東西トルキスタンを征服したことによって促進されました。

また,ペルシア人(イラン人)はインド=ヨーロッパ語族で,ゾロアスター教を信仰していましたが,ササン朝時代の7世紀にアラブ人に征服され,イスラーム化していきました。今日,イラン人といえばイラン=イスラーム共和国の国民の意ですが,実際にはイラン=イスラーム共和国はペルシア語を母語とするペルシア人の他,トルコ人などの民族により構成されています。なお,イランでは主にイスラーム教のシーア派が信仰されています。

【学習アドバイス】
第一次世界大戦時のイギリスの矛盾外交が現在も続くパレスチナ問題の原因となっています。フセイン・マクマホン協定,サイクス・ピコ協定,バルフォア宣言の内容を確認し,パレスチナにおける矛盾外交を確認しておきましょう。

第一次世界大戦時のイギリスの矛盾外交

また,約束は守られず独立できなかったアラブ地域のイラク,パレスチナ,トランスヨルダンはイギリス,シリアはフランスの委任統治領とされたこともあわせて押さえておきましょう。

  • ここで紹介している内容は2017年3月時点の情報です。ご紹介している内容・名称等は変わることがあります。

キミが最近調べた学習内容

定期テストの勉強方法については
こちら

「進研ゼミ高校講座」で、
定期テスト対策の効率UP!
\学年別の教材をチェック/

あとで読む・つづきを読む

キミが読んでいたページ

このページをあとで読む

Closed