【南北アメリカ,オセアニア】南アメリカの農業就業率が低いが何をしているのか
アジアではASEANやアジアNIEsで工業化が進んでいて農業就業率が南アメリカより低いと思ったのですが、反対でした。理由を教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。
それでは、今回の質問にお答えしましょう。
【質問の確認】
アジアではASEANやアジアNIEsで工業化が進んでいて農業就業率が南アメリカより低いと思ったのですが、反対でした。理由を教えてください。
【解説】
ラテンアメリカ諸国の中で、ブラジル・アルゼンチン・メキシコは、積極的な外国資本導入による政策で工業化を進めてきました。
この3か国は、1980年代から90年代にかけては、「ラテンアメリカNIEs」と呼ばれるほど、工業化が進んでいたのです。
しかし反面、対外債務が増大し、1990年代半ば以降これらの国々の経済状況は悪化し、特にメキシコやアルゼンチンは深刻な経済危機に見舞われました。
そうしたことにより、今では「ラテンアメリカNIEs 」という言葉は使われなくなったわけです。
それでも、90年代末までの工業化の進展などにより、こうした国々の農業就業人口率は、かなり低下していました。
また、近年では経済に好転のきざしがみられるようになった国も増えて、特にブラジルは、ロシア連邦・インド・中国とともにBRICsの一員として世界経済への影響力を高めています。
「アジア」については、とにかく広くて、非常に多くの国々が含まれることを忘れないようにしましょう。ASEANやアジアNIEsは、ほんの一部分を占めているにすぎません。
たとえば、多くの人口をかかえたインドを含む南アジアのほとんどの国々では、第1次産業人口比率が最も高く、農業が重要な産業となっています。
また、人口の面では、「アジア」の中でも「中国」と「インド」がかなりの割合を占めています。中国とインドは、長い間にわたって工業化が遅れていた国でした。最近になって、急速に工業化が進んできたものの、広い国土の全体をみれば、まだまだ一部が工業化・都市化されたにすぎません。世界第1位・2位の人口をほこる中国・インドで、まだ多くの人々が農業に従事していることもあって、「アジア」全体での農業就業人口率は高めになっているわけです。
【アドバイス】
ラテンアメリカ(中・南アメリカ)の国々は、その多くがスペイン(ブラジルはポルトガル)の移民を中心に建てられました。
そうした関係で、ヨーロッパ系の人々との関わりが深くなっており、先進国からの資本導入などもおこなわれやすい環境にありました。
ラテンアメリカというと、何となく農業が中心のような印象を受けるでしょうが、必ずしもそうではありません。念のため、ラテンアメリカの産業について学習し直してみるといいですよ。
それではこれで回答を終わります。体調維持に気をつけながら、今後も頑張っていきましょう。