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倫理 定期テスト対策【鎌倉時代の仏教】他力と絶対他力について

【鎌倉時代の仏教】他力と絶対他力について

法然の他力と親鸞の絶対他力の違いがいまいちわからないので教えてください。

進研ゼミからの回答

こんにちは。倫理の学習に頑張っていますね。
では、いただいた質問の「法然の他力と親鸞の絶対他力の違い」についてお答えします。

【質問内容】
法然の他力と親鸞の絶対他力の違いがいまいちわからないので教えてください。

【質問への回答】
法然も親鸞も、救いは阿弥陀仏の本願(阿弥陀仏の慈悲の力)という他力によるとした点は共通です。
法然の他力と親鸞の絶対他力の違いについてですが、法然の説いた他力には、ひたすら念仏を称(とな)える(専修念仏)という自力の要素が残っているといわれています。
それに対し、法然の弟子である親鸞の説いた絶対他力は、他力の中の他力で、法然の説いた他力をさらに推し進め、念仏を称えることも自力ではなく、仏の慈悲のはたらきがそうさせるのだと説きました。この点に違いがあるといえます。

では詳しくみていきましょう。

●まず【法然の他力】について説明します。
法然は仏教の教えを理解する能力がおとろえる末法の世に生まれた人々は、自力のむずかしい修行によって悟りを得ることは不可能だと考えました。

そこで、法然は、阿弥陀仏(弥陀)の本願は、阿弥陀仏があらゆるものを救うことができなければ自分は仏にならないとした誓いであるので、末法の世に生きる人々はこの阿弥陀仏の本願を信じ、ただひたすら念仏を称えるだけで極楽浄土に往生できると説いたのです。

この阿弥陀仏の本願(阿弥陀仏の慈悲の力)にたよることが他力です。
法然は、人々の救いは阿弥陀仏の慈悲の力という他力によるとしたのです。
そして、法然は他の修行法を捨てて、ただ阿弥陀仏の力にすがって、ひたすら「南無阿弥陀仏」と称えることで救われると説きました。

●次は【親鸞の絶対他力】についてです。
親鸞は、救いは阿弥陀仏の慈悲の力という他力であるとしたのですが、信心をもつことも、「南無阿弥陀仏」と称えることも、まったく自力のなすところではなく、阿弥陀仏の慈悲のはたらき(他力)によって自然に発せられるものだとしました。
このはたらきは自然法爾とよばれます。
このようにすべてを阿弥陀仏にゆだね、救いはすべて阿弥陀仏の力によるという親鸞の立場を絶対他力といいます。

【学習アドバイス】
法然の思想の中心である専修念仏、親鸞の根本思想をなす悪人正機説をゼミ教材で再確認しておきましょう。また、演習問題にも取り組んで実戦力を養成してくださいね。

  • ここで紹介している内容は2017年3月時点の情報です。ご紹介している内容・名称等は変わることがあります。

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