【人間の尊厳/自然・科学技術と人間】ベーコンの「イドラ」について
ベーコンのいう「イドラ」って、具体的にどんなこと?
進研ゼミからの回答
こんにちは。
それではさっそく、質問について回答させていただきます。
【質問の確認】
ベーコンのいう「イドラ」って、具体的にどんなこと?
【解説】
ベーコンは、人々が陥りがちな偏見や先入観をイドラとよび、4つに分類しました。具体的な内容を、例とともに見ていきましょう。
種族の イドラ |
人間が本来もっている感覚や精神の制約から生じる錯覚・偏見など。人間という種族に共通する感覚や精神に基づくため、こう呼ばれる。 例:遠くにあるものが小さく見えること |
---|---|
洞窟の イドラ |
個々の人間の性質・環境など、個人の立場にとらわれることで生じる偏見など。洞窟に閉じ込められ、外の世界を正しく知ることができない状態に例えてこう呼ばれる。 例:自分がそうだから、みんなもそうだと思いこむこと |
市場の イドラ |
「言葉」の不適切な使用から生じる誤解などのこと。人々が集まる市場で、誤ったうわさが流れることに例えてこう呼ばれる。 例:うわさ話から、ありえないことを本当だと思いこむこと |
劇場の イドラ |
権威や伝統を無批判に受け入れ、誤った教えであっても信じてしまうことから生じる偏見。劇場で演じられる芝居を、本物と思いこんでしまうことに例えてこう呼ばれる。 例:偉い人の言うことはすべて正しいと思いこむこと |
【アドバイス】
この機会に「イドラ」だけでなく、帰納法などの経験論の特徴や、それと対比して合理論の特徴についても『チャレンジ』などで確認しておくとより理解が深まります。