【非金属元素と化合物の性質】乾燥剤の選び方
乾燥剤にはいろいろな種類がありますが,どういう場合にどの乾燥剤を用いるとよいのか教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について回答します。
【質問内容】
次の気体を実験で発生させたとき,その気体を乾燥させるために用いることのできる乾燥剤を次の中からす
べて選び,記号で答えよ。
という問題について,乾燥剤として使用してよいもの,使用してはいけないものについてのご質問ですね。
【質問への回答】
化学実験で発生させた気体は,多くの場合水蒸気が混在しています。水上置換で捕集した場合はもちろん
ですし,反応によって水が生成することもあれば,試薬として用いた物質に水が含まれており反応物の気体
と一緒に水蒸気として出ていくこともあります。
気体を実験で発生させて乾燥しておく必要がある場合,乾燥剤を用います。乾燥剤はその名の通り,水を吸
収することのできる物質ですが,発生させた気体が,その乾燥剤と反応して別の物質に変化してしまうと目
的の気体を得ることができなくなります。
例えば,濃硫酸は気体の乾燥剤としてよく用いられますが,アンモニアとは中和反応を起こしてしまうので気
体の乾燥剤としては用いられません。このように,気体の乾燥剤の選択にあたっては,乾燥剤と気体が反応
しない組み合わせを考える必要があります。どのような物質にどのような乾燥剤を用いればよいのかを,下
にまとめておきます。
まず,主な乾燥剤を大きく分類すると,次のようになります。
そして,これらの乾燥剤をどのような気体に用いるのかを,次にあげておきます。多くの場合,酸と塩基の組
み合わせにならないようにします。
【学習アドバイス】
気体の乾燥剤の選択は,気体の種類も乾燥剤の種類も多いため,一見複雑に見えます。しかし,それぞれ
の物質の性質を考慮し,「反応しない組み合わせ」を考えることによって乾燥剤を選ぶことができます。それ
ぞれの物質の性質の違いに注意して,どの方法を選択するとよいのかを意識しながら問題を解いて,慣れ
ていきましょう。
今後も『進研ゼミ高校講座』を使って,得点を伸ばしていってくださいね。