熱しやすく冷めやすい子[教えて!親野先生]

【質問】

 

熱しやすく冷めやすいというか、飽きっぽいというか……。カブトムシ、某マンガのキャラクター、天体観測、パソコンお絵描き、4コママンガを描くなど、好きなことに熱中して取り組むのですが、それが長く続きません。せっかく天体望遠鏡も買ってあげたのに、今ではほこりをかぶっています。途中でやめさせないで、もっと続けさせて深めさせたほうが良いのでしょうか? (いちごママ さん:小学4年生男子)

親野先生からのアドバイス

いちごママさん、拝読いたしました。

たしかに、親としては、一つのことに集中して深めさせたいことと思います。
せっかく買ってあげた物を有効に活用させたいとも思うでしょう。あるいは、一つの道に邁進(まいしん)している子を見てうらやましくなったり、「うちの子はこんなに飽きっぽくて大丈夫か?」と心配になったりもすると思います。

でも、本当はそんなに心配することはありません。
たいていの子は、熱しやすく冷めやすいですし、飽きっぽいのが普通です。
それが子どもの本質だと思います。子どもだけでなく人間の本質かもしれません。それは、好奇心が旺盛でいろいろなことに興味を持つことができるということでもあるのです。

子どもによっては、あるとき、自分に本当にぴったり合うものに出会う子もいるでしょう。つまり、やっていて心から楽しく、そして性格的にも能力的にも本人に向いているものです。こういうものに出会った子は、自然にそれを続けます。途中でいろいろあってもずっと続けて、大人になっても続けるかもしれません。

場合によってはそれを仕事にすることもあるでしょう。
もちろん、それはそれで良いと思います。でも、みんながみんな子どものうちにそういうものに出会うというわけではありません。
今いろいろ熱中してみたり飽きてみたりしている子は、そういうものを探しているのです。ですから、ぜひ、そのつど子どもの熱中していることを応援してあげ、そしてたくさんほめてあげてください。そうすれば、子どもは楽しく熱中することができますし、より一層深めることもできます。

当然、その分野に詳しくなるので自分に自信が持てるようになります。
楽しく熱中して取り組んでいるときに、たくさん頭を使うので頭がぐんぐん良くなります。理解力・思考力・記憶力・読解力・情報収集力・情報活用力・集中力などもつきます。これらは、いわゆる勉強を進めるうえでもとても大切なものです。自分がやりたいこと見つける課題設定力もつきますし、それをどんどん実現していく実行力、つまり自己実現力もつきます。

そして、さらに効果的なのは、子どもが好きなことに熱中しているときに、親が「あなたはとても集中力があるね」とほめてあげることです。
これが子どもを伸ばすコツです。そうすると、子どもは「ぼくって集中力があるんだ」という良い自己イメージを持てるようになります。
その結果、実際そうなっていきます。

あるいは、子どもが詳しくなったことを一生懸命話してくれたときは、「よくそんなに覚えられるね。頭が良いんだね」とか「すばらしい記憶力だね」とほめてあげてください。すると、子どもは自分でもそう思えるようになります。その結果、実際そうなっていきます。
途中で飽きてしまったとしても、これらのすべてが次につながっていきます。

とても良い例がさかなクンです。
さかなクンが魚を好きになったとき、お母さんは全面的に応援してくれたそうです。
海、川、池、湖、釣り堀、水族館、水槽のある大きな魚屋さんなど、魚がいるありとあらゆるところに連れて行ってくれました。もちろん本もたくさん買ってくれました。そして、いっぱいほめてくれました。

さかなクンは魚を好きになる前は蛸(たこ)が好きだったそうです。
そのときは、蛸を捕まえに海に連れて行ってくれました。その前はウルトラマンに熱中し、その前はゴミ収集車に熱中したそうです。そのときは、お母さんはさかなクンをマイカーに乗せて、ゴミ収集車のあとを町中追いかけてくれました。

これらのすべてが今のさかなクンにつながっているのです。
さかなクンも最初から魚に熱中していたわけではありません。いくつかの熱中体験を経て魚に出会ったのです。そして、いくつかの熱中体験のそのつど、お母さんが全面的に応援してくれ、いっぱいほめてくれました。
これが大事なところです。

さかなクンは、今、自分の素質を全面的に開花させて毎日生き生きと大活躍しています。
皆さんのお子さんにもその可能性があるのです。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。

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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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