入学準備のポイント:安全、先生との関係


入学準備のポイント:安全、先生との関係


安全確認は必ず親子で!

編集部 これまで、「家庭でできる入学準備」ということでお話を伺ってきました。今回は、実際に小学校に通うに当たって押さえておいたほうがよいことについて教えてください。

親野先生 まず、重要なのは安全面ですね。これは、ぜひ親御さんにお願いしたいのですが、入学前に通学路の確認をしておいてください。親子で実際の道をその子が歩く時間帯に一緒に歩いてみる。通勤ラッシュのときに歩くのと10時くらいに歩くのとは全然周囲の環境が違うので、実際と同じ時間に歩いてみないと本当のところはわからないんです。

子どもの事故でいちばん多いのが飛び出しなんですけど、「ここで飛び出すとどうなるかな?」と子どもと現地で確認しておく。子どもは交差点で、歩道ギリギリのところで待っていることが多いんですよ。内輪差が理解できないので、待っているときに巻き込まれることが多い。そういうことをきちんと話して、「1メートル後ろのココで待ちなさい」と具体的に指示するといいですね。

その他、確認しておくといいのは、道に暗いところがないか、危険なところがないかなどです。また、駆け込んで助けを求められるところ、「子ども110番」の家や店なども確認しておきましょう。実際に親子で入ってみてあいさつなどしておくと、いざというとき子どもも入りやすくなります。


学校や先生とよい関係を築くコツは?

編集部 実際に学校に通い始めて、先生との関係が重要になってくると思いますが、関係を築くうえでポイントがあったら教えてください。

親野先生 学校の先生とは日頃から馴染みになっておくという意識が大切ですね。馴染んでいないと何か問題があったときに初めての出会いになってしまうので。

懇談会にはぜひ出席してください。それが馴染みになる第一歩です。また、何かの用事で学校に行ったときは、ついでに担任の先生と1分ほどの短い会話をするように心がけるといいでしょう。「いつもお世話になります」から始めて、よりよい関係作りにつながる会話です。ただし、先生は忙しいので長い時間は避けましょう。

先生を誉(ほ)める……というのも、先生とよい関係を築くこつかもしれませんね。「先生に受け持ってもらってうちの○○がとても喜んでいます」と一言伝える。誉められて悪い気がする人はいないし。

なかなか学校に行く機会がないという人は、連絡帳でもいいです。「いつもお世話になります」とか、「先生のこと大好きみたいです」などなんでもいいので、一言書いてから本題に入る。そうやって少しずつ先生とよい関係を作っていく。先生も友人など他の人と同じなんですね。


過去も未来もなくその瞬間を生きている子どもたち。大きな心で見守って!

編集部 最後に小学校入学を迎える子どもを持つ保護者へのメッセージをいただけますか?

親野先生 大人たちはみんな、子どものときのほうが苦手なことを直せると思っているのですが、それは勘違いなんです。
子どもはピアノとか英会話とかの習得がはやい。つまり、吸収力が抜群なんです。だから、苦手なことを直すのもはやいだろうと考えてしまいがちです。でも、苦手なことを直すのは吸収力の問題ではないんです。それは持って生まれた性質を変えるということです。そのためには、強烈な意志力が必要です。でも、子どもには意志力がないんです。

なぜかというとモチベーションがないから。将来を見通していないのでモチベーションを持つ必要がないんです。大人だったら将来を見通すことができますけど、子どもにとってはせいぜい3日先くらいが将来。「将来このままだったら困るから直そう」という意識もないんです。苦手なことを直す原動力は意志なんですね。

そうそう、余談ですが、大人になってから苦手なことに再度トライしてみるとよいと思いますよ。大人になってからのほうが人間は変われるし、伸びる。勉強だって、大人になってから「やる!」と決めてやれば伸びるんです。30代、40代で資格を取るとか、モチベーションが高い分大人は強いんですね。

過去もない、未来もない、瞬間に生きている。だから子どもだし、だからかわいいんですよね。

親が変わればいいんです。親が言葉を変えるということ。否定語をやめて肯定語と単純語にする。自己肯定感と他者への信頼感。それを作ってあげられるのは親御さんだけなんです。

ただ、期待しすぎないでください。教育においては結果は望めないんです。親が自分のことで結果を求めるのはいい。子育てと教育においては、結果を出すのは他人である子どもなんです。期待しすぎると、否定語が増えていく。「人事を尽くして天命を待つ」くらい大きな心で、小学校入学を見守ってあげてください。


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