自分は正しいのに友達から優等生のような言い方だと言われ……[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学6年生の息子が、社会見学で、4〜5人の班で行動しているときのことです。時間が迫り、急いでエレベータを降りようとしたとき、「ほかのお客さんに後ろのリュックがあたるから」と息子が友達を静止すると、「バカにされた」と言ったそうです。自分は正しいことをしているのに、周りの友達は、優等生のようなバカにした言い方が嫌らしいと言っています。聞いている私は、息子がちゃんとした考えをもっていることがうれしい反面、なんだか悲しくなるような話で、どうアドバイスをすればよいかわからず困っています。(さくらさん)

 

【親野先生のアドバイス】

さくらさん、拝読いたしました。

「自分は正しいことをしているのに、周りの友達は、優等生のようなバカにした言い方が嫌らしいと言っています」

このような状態はつらいものですね。お子さんは、かなりのストレスを感じているはずです。なんといっても、子どもにとって、人間関係がうまくいかないことは、一番のストレスになるのです。こういう場合に、とりあえず、親がすぐにできることは、たっぷりと話を聞いてやることです。たっぷりと話を聞いてやることで、かなり気持ちがすっきりするものです。それほど深刻でない場合は、こうやっているうちに、解決していくこともあります。

もし子どもアドバイスをするとしたら、注意するときの言い方をうまく言うように教えてやるといいと思います。相手が気持ちよく受け入れてくれるような言い方が必要だということを、教えてやってください。

ところで、いくつか気になることがあります。それは、もしかしたら、お子さんが、今あまり友達との人間関係がうまくいっていないのかもしれないということです。お子さんの話をよく聞いてやって、そのようなことがないかどうか探ってみてください。

そして、もしかしたら、お子さんに人間関係をそつなくやっていくうまさがまだ備わっていないということも考えられます。

私は、ご相談の文面から読みとれることだけをもとにして考えていますので、まったく見当違いのことを言っているのかもしれません。もしそうだとしたら、お許しください。でも、一応考えられることではありますので、書いていきたいと思います。

どんな年齢の集団にも、それなりに、本音と建て前の部分というものがあります。たとえば小学校で「休み時間は教室で騒いだり遊んだりしないように」と先生に言われたとします。たいていの子は、それを適度な程度に守ります。

仮にパーセントで言うとしたら、平均して70〜80パーセントくらい守るわけです。なかには、60パーセントの子も90パーセントの子もいますが……。つまり、それほど大騒ぎをしたり外遊びのような遊びはしないまでも、少しくらい騒いだり遊んだりはするわけです。

でも、ときどき、先生の話を四角四面にきっちり守ろうとする子がいます。つまり、99から100パーセント守ろうとする子です。

そして、ほかの子たちに、「休み時間は教室で騒いじゃいけないんだよ」と言って注意します。ことあるごとにそれを繰り返しているうちに、だんだんほかの子から避けられるようになっていきます。

もしかしたら、ご相談のお子さんはこれに当てはまるのかもしれません。まったくそうではないということでしたらいいのですが、もし少しでもお心当たりがあるようでしたら、それなりの対応が必要になります。

まず担任の先生に、クラスでの様子を聞いてみるといいでしょう。
そして、そのような事実があるということになれば、友達関係での配慮をお願いすることも必要になるでしょう。というのも、どうしても、クラスで浮いてしまうことになりがちだからです。

そのような一定の配慮のもとで、友達付き合いの経験を積み重ねていくうちに、だんだんうまくやれるようになることもあります。もし、その程度がかなりのものであったり、病的であったりする場合は、専門家に相談する必要が出てきます。

もう一つ、気になることがあります。
それは、そのクラスの状態や雰囲気があまりよくないのかもしれないということです。

担任の先生の指導力不足か、または、子どもたちのもともとの傾向によってか、クラス全体の状態や雰囲気がひどくまずくなることがあります。これが一番ひどくなった状態が学級崩壊です。

そのような場合、正しいことをしても受け入れられるどころか、かえってバカにされたりいじめを受けたりすることがあります。このようなときは、とにかく学級をまともな状態にしなければ本質的な問題解決はできません。

まず、クラスが学級崩壊状態にあるのかどうかを知る必要があります。
自分の子ども、子どもの友達、その親たち、クラスの役員などに、よく話を聞いてみてください。担任の先生や同じ学年の先生、学年主任、知り合いの先生、教頭先生、校長先生などから話を聞く必要も出てくるかもしれません。

学級崩壊の事実があるとわかれば、できるだけ早くに対策をとってもらう必要があります。学校側の動きが鈍いときは、親たちから学校側に働きかけることも必要です。

対策とは、具体的には、担任の先生を変える、複数の先生で担任する、問題を起こす子どもへの指導を進めるなどです。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。さくらさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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