子どもがだらしないのは親のせい?生まれつき?[教えて!親野先生]

教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。

【質問】

長男はしっかりしているのですが、次男が何かにつけ、だらしがないです。整理整頓できない、忘れ物が多い、マイペースで何をやっても遅い、夢見心地でぼうっとしていることが多いなど、挙げたら切りがありません。これって生まれつきでしょうか?それとも親のせいで、育て方に問題があるのでしょうか?子どもを責める前に自分を責めるべきでしょうか?

ソフトアプリ さん(小6 男子)

【親野先生のアドバイス】

拝読しました。
子どもがだらしないのは親のせいではありません。
整理整頓ができないのも、忘れ物が多いのも、マイペースなのも、ぼうっとしていることが多いのも、全て親のせいではありません。

かといって、その子のせいでもありません。
なぜなら、それは生まれつきだからです。

例えば、整理整頓ができない人はたくさんいます。
私もその一人ですが、子どもでも大人でもたくさんいます。
そして、それは「親のしつけがダメだからできない」ということではなく、生まれつきの性格なのです。

なぜ、私はそう言うのでしょうか?
それは、私が長年に渡って小学校の教壇に立ち、その間に640件の家を家庭訪問して、その証拠をたくさん見てきたからです。

例えば、親は整理整頓が上手で家の中もきれいだけど、子どもは全然できないという例がたくさんあります。
その逆に、両親とも整理整頓ができなくて家中に物が溢れているけど、子どもは上手にできるという例もたくさんあります。

兄はできるのに弟はできないとか、その逆もあります。
親のしつけとか家庭環境によって決まるなら、兄弟全員が同じようになるはずですが、そうはならないのです。

それはつまり、生まれつきの性格によるところが大きいということの証拠なのではないでしょうか?

ちなみに、整理整頓ができない人は創造力が高い傾向があるとミネソタ大学のキャスリーン・ヴォース教授が明らかにしています。

整理整頓だけではありません。
兄弟で全然違うことは他にもたくさんあります。
同じ親で、同じ環境で、同じしつけ・指導なのに、兄弟で全然違うことがたくさんあるのです。

しつけや親の指導によって子どもが大きく変わるなら、兄弟がみんな同じようになるはずです。
でも、そうはなりません。
親が同じように接していても、兄弟それぞれまったく違う人間になっていきます。
先ほども言ったように、これすなわち、生まれつきの性格によるところが大きいということの証拠なのです。

ですから、ソフトアプリさんは自分を責めないでください。
そして、子どもも責めないでください。
生まれつきなのですから、親のせいでも子どものせいでもないのです。
それはそういうものですから、誰を責める必要もないのです。

責める気持ちがあると、ずっと子どもを叱り続けることになります。
でも、いくら叱り続けても生まれつきのものは簡単には直りません。
直らないだけでなく弊害がたくさん出てきます。
一番心配なのは、叱られ続けることで子どもが自己肯定感が持てなくなることと、親子関係が悪くなることです。

自分を責めるのも子どもを責めるのも苦しいことです。
責める気持ちから解放されることで気持ちが軽くなります。
「生まれつきなんだからしょうがない」と一度開き直ってみましょう。

その上で、自分たちにできる合理的な工夫をして乗り越えていくようにしてください。
大人になって仕事に就いたりすれば、必要に迫られてけっこうそれなりにしっかりしてくるから大丈夫です。

最後に付け加えますが、ソフトアプリさんの次男の「整理整頓できない、忘れ物が多い、マイペースで何をやっても遅い、夢見心地でぼうっとしていることが多い」などは、全て男の子脳の度合いが高い子に特有の性格だとも言えます。

私の経験でいえば、そういう子は先ほど書いた「創造力が高い」の他にも、癒やし系の能力が高い、他者ができないことを許せる、大らかでゆったりしている、包容力と共感力があり人に優しい、自分の世界をじっくり深める、などの長所をもっている可能性があります。

こういう長所に目を向けて、プラス思考で臨んであげてください。

私ができる範囲で、精一杯提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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