どう変わる?「大学入学共通テスト」押さえておくべきポイント

大学入試はどう変わるのでしょうか。そして、高1・高2時代から対策しておくべきことは?
学びたい学問と学べる大学に出会えるイベント「夢ナビライブ2019」東京にて、「進研ゼミ高校講座」 編集室の相武貴志がおこなった講演をまとめました。

大学入試は「多面的評価」へ

進研ゼミ高校講座」には、新大学入試に関するさまざまな相談が寄せられます。

関心が高いのは、「共通テストはどんな試験になるの?」「英語の検定試験は受けなきゃいけないの?」「そもそも勉強の仕方がわかりません」といったことです。

今日は、新大学入試がどうなるか、どんな力が必要となるかについてお話ししていきたいと思います。

新しい大学入試は、「新たな時代に必要となる資質・能力の育成」を目的としています。
これまで大学入試で主に問われてきた「知識・技能」に加え、「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」も測ろうということです。

これらの要素をすべて評価するには、ペーパーテストだけでは難しいので、さまざまなやり方で、多面的・総合的に評価する大学入試へと変わろうとしているのです。
具体的には、センター試験に代わる「大学入学共通テスト」、英語の資格・検定試験の導入等が挙げられます。「主体性」等については、高校3年間に何をがんばってきたかという履歴を調査書や志望理由書などの出願書類等で見て評価しようとしています。
今回は、大学入学共通テストについて詳しくお話しします。

国・数で記述式問題の導入、英リスニングの配点増

6月4日、文部科学省は共通テストをどのように行うか、大きな枠組みを示した「大学入学共通テスト実施大綱」を発表しました。
それによれば、出題される教科・科目はセンター試験と変わりません。センター試験と変わる主なポイントは、国語と数学で記述式問題が出題されること。それに伴って試験時間も伸びます。

国語  100分(センターは80分)
数学I 70分(センターは60分)

記述式問題は、国語・数学とも3問程度となる見通しです。問題全体の比率からいえば大きくありませんが、マーク形式の問題でも、全教科で、思考力・判断力・表現力がより問われることとなります。
英語では、リーディングとリスニングの配点が1:1(リーディングが100点満点なら、リスニングも100点満点)となります。センター試験では筆記(リーディング)が200点、リスニングが50点と配点は4:1でしたから、リスニングの対策が非常に重要となってきます。

「試行調査」から見える3つの特徴

「大学入学共通テスト」は、これまで2年間かけて「試行調査」(プレテスト)が行われてきました。試行調査の問題を分析すると、実際、どのように思考力・判断力・表現力を問おうとしているのかが見えてきます。
試行調査の特徴としては次の3点が挙げられます。

1 「社会との関わり」や「探究活動」を意識した問題設定
すべての教科で、日常生活や社会との関わりを意識した素材が出題されています。
たとえば数学の試行調査では、小学校と高校の階段を例に、「踏面(ふみつら)」の範囲を求める問題が出題されました。階段という身近なものについて、数学的なアプローチでとらえることが求められているのです。このような問題は単に公式を知っているだけでなく、問題にあてはめて使えないと解けません。
また、グループワークの場面を取り上げるなど、「探究」を意識した問題も多く出題されています。

2 複数の資料を読み取り、情報を統合・考察する力の重視
文章だけでなく、グラフや図表など、複数の資料を読み取り、その内容を踏まえて答えたり、指定された条件や字数で記述したりする問題が出題されています。資料の分量が多いため、時間が足りなくなるケースも多いようです。読解力・思考力は今後一層重要となりそうです。

3 解答形式の多様化
国語・数学の記述問題では、根拠を示しながら論理的に記述する力が問われます。また、マーク式でも「正答が複数ある」「解なし」など、従来とは異なる設問も見られました。
6月7日に大学入試センターから発表された「大学入学共通テスト問題作成方針」でも、マーク式問題の新たな出題形式として,連動型の問題(連続する複数の問いにおいて,前問の答えとその後の問いの答えを組み合せて解答させ,正答となる組合せが複数ある形式)の出題が検討されています。

これまでのセンター試験と同様に、高校の教科書をベースとした出題に変わりはありませんので、教科書・授業を軸とした学習が基本となります。一方、基礎・基本事項を単に暗記するような学習で終わらせず、人に説明できるレベルまで理解することや、さまざまな資料や設問を時間内に正確に読み解く読解力がますます必要となってくることがわかります。

教科書の知識を使って問題を解決する力が必要

進研ゼミ高校講座」では、「チャレンジ」で授業で習ったテーマをオリジナル問題で再確認し、記述中心の添削課題と赤ペン指導で、思考力・判断力・表現力を「解ける力」にしていきます。

プロフィール

相武 貴志

ベネッセコーポレーション
高校講座進路情報責任者
北海道・東海・近畿・九州・沖縄エリアの高校現場を歩く中で、大学合格を果たした生徒とその保護者、学校の実態を踏まえた進路指導に定評。

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A