小学校英語は今「小学校英語・必修化の課題」[英語レポート]

公立小学校での英語教育については、今後、小学5、6年生で週1時間の必修化になるのではないかと言われていますが、もし全国すべての小学校でこのような状況になったとしたら、どのようなことが課題となるのでしょうか。今回は、「小学校英語に関する基本調査(教員調査)」の結果から、現状での小学校英語の課題を取り上げ、そこから必修化以降に起こりうる課題について考えてみたいと思います。

「子どもの積極性」以外はすべて不足?
【図1】をご覧ください。これは小学校教員(教務主任)に「英語教育を行ううえで必要となる条件などについて、貴校の状況は十分だと思いますか」という調査項目についての回答結果ですが、「十分である(「どちらかといえば」を含む)」が過半数を超えていたのは「子どもの積極性」のみという結果でした。

【図1】
* 英語教育を「行っている」学校(3,292人)のみ対象
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逆に、9割以上が「十分ではない(「どちらかといえば」を含む)」と回答した項目を見てみると、「教材の開発や準備のための時間」「中学校との接続・連携」、次いで「英語教育に関する教員研修」「英語教育に使える予算」が続きます。小学校で英語教育を行うには、教員の人数や資質などの「人」、教材開発やALTとの打合わせ・準備のための「時間」、そして、それらを可能にする「予算」が必要ですが、そのいずれもかなり厳しい状況にあることがわかりました。

教員研修が最大の課題か?
本調査では、前述の調査項目から「とくに課題だと感じていること」について三つまで選択・回答してもらいました。その結果が次の【図2】です。

【図2】
* 15項目のなかから三つまで選択
* 英語教育を「行っている」学校(3,292人)のみ対象


最も回答が多かったのが「指導する教員の英語力」で約4割、「教材の開発や準備のための時間」「指導のためのカリキュラム」「英語教育に関する教員研修」が3割台で続いています。前回のレポート「誰が教えているの?」では、中心となる指導者については、多くの場合、ALTであるという結果をご紹介しましたが、とはいえALTの来校頻度は「月1回程度」である場合が多いのが現状です。前述した「小5・6で週1時間の英語必修化」が現実となった場合、ALTを大幅に増やしたり、来校頻度を多くしたりするということは、予算などの面から現実的には難しく、現在の小学校教員が英語教育を行う状況になりうると予想されます。小学校英語の必修化の前提として、小学校教員への研修は最大の課題と言えそうです。

※「ALT」とは、外国語指導助手(ALT、AETなど)のことを指す

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