小学校入学準備「就学時健康診断って、大切!」
- 教育
上の子がいないかぎり、就学時健康診断(以下、就学時健診)で初めて小学校を訪れる親子が多いでしょう。健診は入学予定の学校でしっかり受けて。小学校の養護教諭をされていた宍戸洲美先生に就学時健診の大切さについて伺いました。
書類は母子健康手帳を見ながら、きちんと記入を
自治体から届く「就学時健診のお知らせ」には、記入の必要な書類やアンケートが同封されている場合が多いようです。内容は、主な病歴や予防接種歴など。母子健康手帳を見ながら正確に記入しましょう。また、記入もれがある場合もあるので、健診当日も母子健康手帳を持参しましょう。
就学時健診でしておきたい学校への確認・連絡
就学時健診は、入学前の親子が初めて学校側と接触する場でもあります。都合が合わない場合は別の学校でも受診できることにはなっていますが、できるだけ入学予定の学校で受診すると学校の様子がわかります。
子どもの健康状態や発育に関する気がかりなことや要望がある場合は、健診時に学校側に伝えましょう。たとえば食物アレルギーがある場合、学校給食ではどこまで対応してもらえるのか確認しておくと安心です。その際、どの程度の除去が必要なのかが明確になるよう、事前に主治医の指示を仰いでおくとよいでしょう。
たとえばこんな気がかり・要望も伝えておこう
○ぜんそくの発作が起きたときの対応で学校側に希望すること
○子どもに持病の薬を持たせる場合、きちんと飲んでいるかを確認してもらえるか
○子どもに障害があるが普通学級に通わせたい。学校はどの程度対応が可能か
指摘されたら、早めに受診を!?
健診で病気や異常を指摘された場合は、入学までに専門の医療機関を受診しましょう。治療が一度で済まない場合もあるので、早めの治療を心掛けて。
また、この時期は風邪やインフルエンザにかかりやすい時期。入学までに受けておきたい予防接種がある場合は、余裕をもってスケジュールを組んでおくと、予定がずれても安心です。
入学前 要チェックの予防接種スケジュール
○麻疹・風疹混合ワクチン(MR)
定期予防接種。麻疹・風疹ワクチンは第1期(1歳児)で接種していても、免疫がつかないことや、時間の経過とともに免疫が減衰することがあります。第2期は5歳から7歳未満で小学校就学前の1年間。決められた期間を過ぎてしまうと公費での接種ができなくなります。
○日本脳炎ワクチン
定期予防接種。2005(平成17)年5月~2010(同22)年3月、厚生労働省による「日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨の差し控え」があったため、日本脳炎の予防接種を受けていない子どもは多いようです。2009(平成21)年6月以降、新しいワクチンが使用されるようになり、現在は「積極的勧奨の差し控え」は解除されています。
また、「積極的勧奨の差し控え」により第1期の3回が完了していない子どもは、残りの回数を第1期または第2期の年齢で定期接種として公費で受けることができます。予防接種を希望する場合は、保健所などに早めに問い合わせましょう。
【予防接種法に基づく日本脳炎ワクチンの定期予防接種スケジュール】
○第1期(3回) 生後6か月以上90か月(7歳6か月)未満
○第2期(1回) 9歳以上13歳未満
これ以外にも定期で接種できていない予防接種があれば、市町村の役所や保健所などに相談してみるとよいでしょう。
プロフィール
- 宍戸洲美
- 帝京短期大学 生活科学科 学科長・教授。看護師、保健師を経て、3つの小学校で27年間にわたって養護教諭として勤務した経験をもつ。現在は大学で養護教諭をめざす学生たちの指導にあたると共に、NPO法人子育てアドバイザー協会の講師なども務めている。