【脂肪族化合物の性質】命名法(アルカン,アルケン,アルキン)
いろいろな有機化合物(アルカン,アルケン,アルキン)の命名方法を教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について回答します。
【質問内容】
いろいろな有機化合物(アルカン,アルケン,アルキン)の命名方法を教えてください。
というご質問ですね。
【質問への回答】
便宜上,ここでは構造式は水素をはずして説明します。
※試験問題などでは,「構造式は例にならって示せ」などといったことわりのない限りは,水素をはずして答えてはいけないので注意してください。
脂肪族化合物では,二重結合や三重結合を1つも含んでいない化合物を,アルカンといい,二重結合を1つ含む化合物をアルケン,三重結合を1つ含む化合物をアルキン,といいます。赤字で書いてある部分を見てわかると思いますが,これらは語尾だけが変化しています。それぞれの化合物の名称もこのように,語尾だけが変化します。直鎖状の化合物で比べてみましょう。
炭素数3の化合物で
アルカンは,プロパンです。英語では と書きます。C-C-C
アルケンは,プロペンです。英語では と書きます。プロペンは,慣用的にはプロピレンと呼ばれて います。C=C-C
アルキンは,プロピンです。英語では,と書きます。プロピンは慣用的にはメチルアセチレンとも呼ばれています。C≡C-C
語尾だけ変化していることがわかりますね。
したがって,アルカンの名称だけを覚えておき,あとは,~ane→~ene→~yneというように語尾変化することを覚えておけば,アルカン,アルケン,アルキンの名称は簡単に言うことができるようになります。
以下に,炭素数1~10までのアルカンの名称を書いておきますので,これはしっかり覚えておきましょう!
メタン,エタン,プロパン,ブタン,ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン,ノナン,デカンです。
次に,下の(1),(2)のような化合物の場合,名称はどうなるでしょう。
(1)C=C-C-C
(2)C-C=C-C
これは,骨格は同じですが,二重結合の位置の違いによって生じる異性体です。
両方ともブテンC4H8であることには間違いありませんが,二重結合の位置が異なります。そこで,(1)の場合 は1-ブテン,(2)の場合は2-ブテンと命名します。
炭素原子の端から次のように番号をつけるのです。
二重結合が所属する炭素原子の番号ができるだけ小さくなるように命名するので,(1)は1-ブテンといい, 2-ブテンとか3-ブテンとか4-ブテンとはいいません。注意しましょう!
【学習アドバイス】
有機化合物は,構成する元素の数は少ないのですが,炭素原子がいくつも結合していくことができるため,その種類は非常に多いです。それらの名称は一見複雑に見えますが,物質名には命名の規則があり,それに従って物質の名称が与えられています。命名の規則を覚える必要はありませんが,命名のもととなる,炭素の骨格をきちんと書き出すことは,異性体について考えるときにも必要になりますので,いくつも構造式を書き出して慣れていきましょう。
以上で回答を終わります。 これからも「進研ゼミ」の教材を利用して,力をつけていきましょう。