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地学基礎 定期テスト対策【活動する地球】断層について

【活動する地球】断層について

19ページの解説の5-6行目に,「余震の震央の分布の幅は約10 kmと非常に狭いことから,断層面の傾斜は垂直に近いことがわかる。」と書いてありますが,なぜこのことから垂直に近いと言えるのかがわからないので教えてください。

進研ゼミからの回答

こんにちは。 さっそく質問に回答しますね。
【質問内容】
【問題】
次図は,1995年に発生した兵庫県南部地震の本震と余震の震央の分布である。この地震の本震はM7.2であったとする。この地震では震度7の地域があった。

1995年兵庫県南部地震の本震と余震の震央の分布図
問 余震は,本震を発生させた断層面に沿って発生することがわかっている。この地震の余震の震央分布から,断層はほぼ北東-南西方向にのびていたことがわかった。また,余震の震源の深さは,0~20kmの範囲のものがほとんどであった。本震を発生させた断層に関する文として最も適当なものを1つ選べ。

  ① 断層の長さは200km程度で,断層面の傾斜は30°以下である。

  ② 断層の長さは200km程度で,断層面の傾斜は垂直に近い。

  ③ 断層の長さは50km程度で,断層面の傾斜は30°以下である。

  ④ 断層の長さは50km程度で,断層面の傾斜は垂直に近い。

という問題について,

【解説】本震を発生させた断層の長さは、約50kmとわかる。断層面の傾斜は余震の震央の分布の幅を手がかりに考える。例えば、断層面の傾斜が45°なら、断層面の最大傾斜に沿った深さ20kmと深さ0kmの移転では水平距離で20km離れることになる。問題からは余震の震央の分布の幅は約10kmと非常に狭いことから、断層面の傾斜は垂直に近いことがわかる。なお、本震を発生させた断層は、右横ずれ断層であったことがわかっている。

【解説】の下線部分についてのご質問ですね。
なぜこのことから垂直に近いと言えるのか,一緒にみていきましょう。

【質問への回答】
問題に,「余震の震源の深さは,0~20kmのものがほとんど」と書かれていますから,次の図を参考に,図を用いて考えましょう。

余震の震源の深さを表した図
余震は断層面に沿って起こりますから,断層面と余震の震源の位置関係を示すと下の図のようになります。
断層面と余震の震源の位置関係を示す図
次に,問題の図から,余震の震央分布の幅が約10kmであることを読み取ります。傾斜が45°の断層面を基準に,震源分布の幅が10kmのときの断層面を図にかき込むと下のようになります。

傾斜45°の断層面を基準に、震源分布の幅が10kmのときの図
これより,震源分布の幅が10kmのときの断層面の傾斜角(断層面が水平面となす角)は,45°よりも大きく垂直に近くなっていることが読み取れます。
この角度を「垂直に近い」と表現するのは抵抗があるかもしれませんが,断層面の傾斜角が30°になると,震源分布の幅が20kmよりもかなり広くなること(20√3≒ 34km)も図から読み取れます。したがって,この問題の場合,断層面の傾斜が30°以下にはなりません。

【学習アドバイス】
地学では,この問題のように,頭の中だけでは整理ができない内容が多く出題されます。
このような場合は,簡単な図をかいて内容を整理して考えることが重要です。
普段の学習においても,なぜそうなるのかを,図を用いて視覚的に理解しておくようにしましょう。

今後も『進研ゼミ高校講座』を使って,得点を伸ばしていってくださいね。

  • ここで紹介している内容は2017年3月時点の情報です。ご紹介している内容・名称等は変わることがあります。

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