【場合の数と確率】和の法則と積の法則の使い分けについて
大中小の3つのさいころを投げた時、次のようになる場合は何通りあるか。という問題で
(1)目の積が偶数 (2)目の和が奇数
このとき和の法則か、積の法則かどっちを使ったらいいのかわかんないです。
進研ゼミからの回答
こんにちは。
いただいた質問について、早速、回答します。
【質問の確認】
大中小の3つのさいころを投げた時、次のようになる場合は何通りあるか。という問題で
(1)目の積が偶数 (2)目の和が奇数
このとき和の法則か、積の法則のどちらを使えばよいかについてですね。
【解説】
このような問題は、場合分けをして樹形図をかいて調べるとよいでしょう。
≪(1) 目の積が偶数 の場合≫
を考えてみましょう。
3つのさいころの目の積が偶数のときは、
(ア) 偶×奇×奇 (イ) 偶×偶×奇 (ウ)偶×偶×偶
の3つの場合があります。
ところが、さいころには大、中、小の区別があるので、
(ア)偶×奇×奇 の場合
(大×中×小)=(偶×奇×奇)、(奇×偶×奇)、(奇×奇×偶)
の3つのパターンがあります。
(イ)偶×偶×奇 の場合も同様に、
(大×中×小)=(偶×偶×奇)、(奇×偶×偶)、(偶×奇×偶)
の3つのパターンがあります。
(ウ)偶×偶×偶 の場合は
(大×中×小)=(偶×偶×偶) だけですね。
全部で7つのパターンがありますが、それぞれ同時には起こりません。
だから、この7つはそれぞれ和の法則で、加えることになるのです。
次に、その中の1つのパターンを考えてみましょう。
(大×中×小)=(偶×奇×奇)の場合について
偶数が出るのは、2,4,6の3通り、奇数が出るのは、1,3,5の3通り
であるので、どちらも3通りで考えればよいですね。
大の目が3通り出て、その各々に対して中の目が3通り、またその各々に
対して小の目が3通り出るので、積の法則になります。
よって、(大×中×小)=(偶×奇×奇)となるのは、3×3×3=27通り
他のパターンもすべて27通りとなります。
これが7パターンあるから、和の法則で
27+27+27+27+27+27+27=27×7=189通り となるのです。
別解 実は、この問題は余事象の考え方を使うと、ずっと楽に求められます。すべてのさいころの目の出方は6×6×6=216通りあります。
ここで先に考えた目の組合せ (ア)、(イ)、(ウ)以外に (エ) 奇×奇×奇 の場合がありますが、これだけが目の積が奇数になってしまいます。
≪(2) 目の和が奇数 の場合≫
(ア)(奇+奇+奇)、(イ)(奇+偶+偶)のときです。
(イ)は(1)と同じ考え方で、
(大+中+小)=(偶+偶+奇)、(奇+偶+偶)、(偶+奇+偶)
の3パターンあり、(ア)と合わせて全部で4パターンになります。
これらは同時には起こらないので、和の法則で加えます。
そのうちの1つのパターン(奇+偶+偶)の場合は、積の法則で3×3×3=27通りあり、それが4パターンなので 和の法則より
27+27+27+27=27×4=108通り
となるのです。
【アドバイス】
大の目が出て、中の目が出て、小の目が出ることによって、目の積が偶数になったり、目の和が奇数になったりします。このようなときは「積の法則」です。
一方(奇、奇、奇)の場合と(奇、偶、偶)の場合は同時には起こりません。
このようなときは「和の法則」になります。
「和の法則」と「積の法則」の違いをしっかり理解しておきましょう。
それでは これからもゼミ教材を活用して力を伸ばしていきましょう。