英語で「おけいこ」できるかな?(2) 第24回 [Oh,my Gooodness!]

親子で英語圏に住み、現地の学校に行きながら英語を学ぶ……。3歳の娘と母親である筆者は、夫のアメリカ転勤のために、そんな理想的な環境に飛び込むことになりました。果たして本当に「子どもは英語にすぐ慣れるから大丈夫」? アメリカに住みながら英語を学ぶメリットとデメリットとは? 筆者のアメリカ生活をとおして、日本に住むご家庭では、どんな取り組みができるのか考えていきます。
※「Oh,my Gooodness!」とは、「あらまあ!」という驚きを表すことば。

その日もバレエスタジオの入り口で、娘は「お母さんと一緒がいいの」とだだをこねていた。本当はいけないのだが、先生に事情を話して許可をもらい、私もスタジオに入る。
レッスンが始まって、先生が生徒たちの前に立って踊って見せながら指示を出す。「right」「left」「rise up」等々、ものすごく早口だ。ぽかんとしている娘に「右、左だって」「背伸びして」と通訳して聞かせると、動作を始める。
やはり娘は、先生の話が聞き取れていなかったのだ。

バレエの先生は若い女性で、大人から子どもまで全部教えて、自分もしっかり踊れるダンサーだ。
教師としてはなかなか威厳もあり教え方もわかりやすい。ただ、保育園の先生たちのように、言葉がわからない外国人の子どもの扱いには慣れておらず、ゆっくり噛み砕くようにしゃべってくれるわけではない。それでも他のアメリカ人の子どもには何も問題がないのだろう。
保育園と違って、バレエ教室には外国から来たばかりで英語がよくわからない子はほとんどいなかった。

スタジオに入ってわかったのだが、先生から遠くの場所に立っていると、他の子にさえぎられて先生の動きがよく見えない。そこで「うちの子は先生の英語が理解できないから、先生の振りがよく見える場所にしてほしい。先生に一番近い場所にいつもポジションを振ってもらえないか」とお願いした。
それから、娘の気持ちが落ち着くまでの2カ月ほどは私がレッスン室に入って「立つんだって」「座る!」「ほら、先生がみんなあっちに集合って言ってるよ」と通訳をした。

12月に入ると、娘のレオタードが小さくなってきた。無駄になってしまうのではという不安はあったが、少し奮発して、きれいなレースのついた可愛いレオタードを買ってやった。新しいレオタードに着替えたあと「今日はひとりでやってみる?」と言うと、娘は「うん」とうなずいてスタジオに入った。
黒いレースのスカートがひらひらと宙に舞うのがうれしくて、娘はくるくると回り、スカートを上げたり下げたり、片時もじっとしていない。集中力という点ではまだまだだが、その日を境に、娘はひとりでレッスンに参加できるようになった。

娘のバレエのレッスンを通じて、私は「外国人向けの特別な配慮があるのとないのでは、大違いなのだ」と痛感した。そうした助けなしにネイティブの集団についていくのは、本当に難しいことなのだ。子どもはわかったような顔をしていても、実際には理解できていないことがたくさんある。
つねに注意深く見守り、ときには質問もして、子どもの理解度を把握しておかなければ、と反省した出来事だった。

プロフィール

山本美芽

音楽・ノンフィクションライター。中学校教諭、養護学校教諭からライターに転身。現在は音楽と教育をテーマに執筆活動を行う。著書に「りんごは赤じゃない 正しいプライドの育て方」「子どものセンスは夕焼けが作る」など。2006年3月より米カリフォルニア州在住。1児の母。

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