【時制の一致】時制の一致を受けた過去完了について
解説2行目【従属節のsawも時制の一致を受け,過去完了「had seen」となる。】とありますが,この場合の現在完了「had seen」は時制の一致を受けただけであり,現在完了としての本来の意味は持たないということですか?(①)
また,この問題の解答となる文
「My friend told me that she had seen some giant pandas last week.」
を仮に日本語訳しろ,という問題が出た場合,現在完了として考えてしまうのを防ぐにはどうすればいいですか?(②)
また,「last week」は「私の友達が話した」ときのことなのか「私の友達がパンダを見た」ときのことなのか,どうやって区別を付けるのですか?(③)
以上①②③の3つの質問させていただきます。
進研ゼミからの回答
こんにちは。
いただいた質問について,さっそく回答いたしましょう。
【質問の確認】
【問題】
次の英文は1か所以上の誤りがある。その誤りを訂正して全文を書き換えなさい。
My friend told me that she saw some giant pandas last week.
という問題について
①時制の一致を受け,sawが過去完了had seen となりますが,これは完了形の意味は持たないのか。
②和訳するとき,現在完了として考えてしまうのを防ぐにはどうすればいいか。
③last week が「話した」ときのことか「見た」ときのことかどのように判断すればいいか。
というご質問ですね。
【解説】
まず,「時制の一致」について確認しておきましょう。
「時制の一致」とは,主節の動詞が過去形の場合,従属節の動詞が主節の動詞の影響を受けて,過去形または過去完了となることです。
例)I know that she is beautiful.
「私は彼女がきれいだということを知っている」
↓
I knew that she was beautiful.
「私は彼女がきれいだということを知っていた」
※主節の動詞が過去形knew になると,時制の一致で従属節の動詞を過去形was にします。
時制の一致では,従属節の過去形は現在形のように訳します。
同じ過去形ということは,「知っていた」と同じ時点で,「きれいだ」 ということです。
では,「私は彼女がきれいだったということを知っていた」の場合はどうでしょうか。
「知っていた」過去の時点よりも前に,「彼女がきれいだった」ということになります。
過去の時点よりもさらに前のことを表す場合,従属節では〈過去完了〉が用いられます。
〈過去完了 = had + 過去分詞 〉
⇒ I knew that she had been beautiful.
「私は彼女がきれいだったということを知っていた」
では,①②③の質問について考えてみましょう。
My friend told me that she had seen some giant pandas last week.
「私の友人は先週パンダを見たと私に言った」
①had seen は〈過去完了〉です。
過去完了had seen は,主節の動詞の過去形 told 「言った」よりも,さらに前に「見た」ことを表します。
元の she saw some giant pandas last week の過去形 saw が時制の一致を受けて,過去完了 had seen になったものです。
現在完了〈have[has]+過去分詞〉とは関係がありません。
②〈 told +人+ that …〉 や〈 knew that …〉 などのように,主節は過去形,従属節の中が過去完了〈 had+過去分詞〉である場合,注意して訳しましょう。
文全体の内容を考えて,過去より前のことを表す過去完了については,過去より前であることがわかるように訳すことがポイントです。
last week という明らかに過去を表す語句があるので現在完了として考えることはありません。
③last weekのような修飾語句は,それが修飾する文や語句などの近くに置かれるのがふつうです。
ここでは,近くにある she saw some giant pandas を修飾していると考えましょう。
【アドバイス】
現在完了は<have[has]+過去分詞>の形で,現在を基準の時として<継続・経験・完了〔結果〕>を表します。
例) He has been in hospital for two months. <継続>
「彼は2か月間(ずっと)入院している」
※2か月前から現在までずっと入院している状態の継続を表します。
「ゼミ」の教材で「時制の一致」について確認しましょう。
例文を覚えて,応用していくといいですね。
それではこれで回答を終わります。これからも『進研ゼミ高校講座』にしっかりと取り組んでいってくださいね。