【2024年度共通テスト】文系・理系で平均点上昇。志望動向の変化は?

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2024年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)は、1月13日(土)と14日(日)の2日にかけて実施されました。
2024年度の共通テストの志願者数は49万1,914人となり、昨年の共通テストから約2万人、4%減少しました。
また、現役生比率は85.3%と、昨年(85.2%)からもさらに高まっていることも特徴です。
現役生中心の入試となりましたが、得点状況や志望動向はどうだったのか、データネット自己採点集計結果をもとに、全体概況をお伝えします。

※本記事はデータネット実行委員会による2024年1月16日時点のデータネット自己採点集計結果をもとに作成しています。

この記事のポイント

文系・理系ともに平均点はアップ

5教科900点集計の予想平均点は文系が536点(得点率約60%)、理系が559点(得点率約62%)となりました。
前年と比較すると文系は+4点、理系は+8点と、文系理系ともに若干アップしました。

受験生心理からすれば、目標点通り! が多いと想定されるため、「安全志向にはなりにくい」状況です。
得点ベースでは、政治経済45点、数学I・A51点、英語リーディング52点などで予想平均点が下がり、逆に、国語は117点と前年からも+11点、英語リスニング67点、地理B66点と予想平均点がアップする結果に。

近年、難化が続き、前年に得点調整の対象となった生物は、得点調整後の昨年度平均点から更に+7点の55点と得点が伸びました。

ただし、全国平均が変動すれば、各大学の目標点も変動します。志望大の目標点に届いているかどうかは、今年の基準、今年の判定で冷静に判断することが大切です。

  • ・文系・理系とも予想平均点は昨年度よりもアップ
  • ・特に国語、生物基礎、生物専門などで予想平均点がアップ
  • ・一方で数学I・A、政治・経済などで予想平均点がダウン
  • ・目標点どおり、もしくは目標点をやや上回る受験生が多いと推察されるため、全体的に落ち着いた出願になると予想される

志望動向では、新型コロナウイルス5類移行の影響がみられる

《国公立大》

2024年度の国公立大全体の志望者数は前年比98%で、前年並みを維持しています。

学部系統別の志望動向については、理系人気の傾向は落ち着きを見せ、コロナ禍であった顕著な理高文低はみられていません。

コロナ禍で敬遠されていたグローバル系統も志望者数が戻りつつありますが、国際関係学が前年比102%に対し、語学は志望者数が前年比97%となっており、グローバル系統といっても語学1本ではなく、何かを組み合わせた形での志向が模試動向からも続いています。
同様に、コロナ禍で敬遠されていた社会学系統の中の観光学系統も志望者数が前年比113%と回復しています。

理系では、コロナ禍で人気の高かった薬学系統は前年比92%と減少。
理学系統はコロナ禍から変わらず人気継続で前年比101%。
農水産学系統も、探究活動でSDGsなどに触れる機会も多いことから人気の系統ですが、今回も前年比99%と人気は継続しているようです。

《私立大》

共通テスト利用私立大全体の志望者数は前年比95%とやや減少しています。
ただ、共通テスト利用私立大が減少していること、全体の募集人員も減少していることを踏まえると、共通テスト利用私立大が不人気傾向であるということではなさそうです。

学部系統別にみると、語学系統が前年比97%、教員養成・教育学系統が前年比94%と志望者数はやや減少していますが、それ以上に募集人員が減少していますので、系統全体として入試が緩和することはなさそうです。

  • ・近年、コロナ禍で人気が高まっていた薬学系統は人気の落ち着きがみられる
  • ・国際関係学系統や観光学系統等で、人気回復の傾向がみられる

新課程入試を控えた安全志向はみられない

2025年度入試から新課程入試が始まるにあたり、「今年の受験生は安全志向になるのではないか」という予想もありました。

しかし、旧帝大を中心とした難関国立10大学の全体の志望者数は前年比97%、医学系統は国公立大で前年比97%、私立大で前年比96%です。共通テストの志願者数の減少などを踏まえると、安全志向の傾向はみられていません。
共通テストの平均点アップが後押ししたのではないかと考えられます。

  • ・難関国立大や医学系統では安全志向の傾向はみられない
  • ・共通テストの平均点アップが難関大志望の後押しとなっている

まとめ & 実践 TIPS

2024年度共通テストの全体概況をお伝えしてきました。
データネット2024では共通テストの自己採点集計結果から、得点状況、志望動向などを随時お伝えしています。
また、教育情報センターYouTubeチャンネルでも大学入試をはじめ、高校生の学習や進路に関する情報を配信しています。
ぜひご覧いただきお役立てください。

【データネット2024】
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【教育情報センターYouTubeチャンネル】
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プロフィール


谷本 祐一郎

1985年、岡山県生まれ。2007年、(株)ベネッセコーポレーション入社。
九州支社にて、大分県・熊本県・宮崎県の高校営業などを担当し、2016年より東北支社にて学校担当の統括責任者。2019年より現職。講演会・研修会の実績も多数。現在は、大学入試の分析、教育動向の読み解きや、全国の高校教員向けの各種セミナーを企画し、情報発信を行っている。2021年度より島根県総合教育審議会委員を担当。
https://benesse.jp/expert/10008.html

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