【動物の反応と行動】跳躍伝導がわかりません。
跳躍伝導とはどのような伝導なのですか。教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。さっそく質問に回答しますね。
【質問内容】
【問題】
次の図は,4個のニューロンの接続を模式的にあらわしたものである。次に問いに答えよ。
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問2 図中のbの部分について。
(1) このようなニューロン間の接続部分は何と呼ばれるか。
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(2) 副交感神経の場合,この部分で分泌される神経伝達物質は何か。名称で答えよ。
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(3) この部分で行われる興奮の受け渡しは伝達と呼ばれる。「伝達」が「伝導」と異なる点を,興奮が伝えられる方向にも注目して,30字以内で説明せよ。
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問3 図中のcの構造は髄鞘である。
(1) 髄鞘をもつ神経繊維において,特徴的に観察される伝導様式の名称を答えよ。
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(2) (1)で解答した伝導様式は,髄鞘をもたない神経繊維における伝導に比べ,非常に伝導速度が速い。その理由を図中のdで示した部分の名称も含め,30字以内で説明せよ。
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【解答】
問1 イ,ウ,エ,オ(順不同)
問2 (1)シナプス (2)アセチルコリン (3)伝達は神経伝達物質により,一方的に興奮を伝える。(24字)
問3 (1)跳躍伝導 (2)ランビエ絞輪だけで活動電位が生じ,とびとびに伝わるから。(28字)
この問題に出てくる,「跳躍伝導」とはどのような伝導か,という質問ですね。
【質問への回答】
それではこの活動電位の発生による興奮の伝導を,髄鞘のない無髄神経繊維でみていきましょう。
①軸索の途中のある部位を刺激すると,その部位の膜電位は外側が-,内側が+に逆転します。
②興奮部では細胞膜の外側は-になり,その隣接している静止部は+なので,隣接部から興奮部へ(+から-の方へ)活動電流が流れます。
③興奮部では細胞膜の内側は+になるので,-の隣接部へ活動電流が流れます。
④活動電流が細胞膜内外で流れた結果,隣接部の細胞膜内外の電位が逆転し,隣接部が興奮状態になります。興奮はニューロン内(細胞膜の内側)の活動電位の発生として認識されるため,細胞膜の内側を伝わる活動電流と同じ向きに伝わります。このような変化を繰り返して,興奮が刺激された部位から両方向に次々と移動することになります。
髄鞘のある有髄神経繊維では,髄鞘が電気を通さない電気的絶縁体としてはたらくため,
②の細胞膜の外側の活動電流は髄鞘の切れ目のランビエ絞輪の部分だけに流れます。
細胞膜の内側ではそれと反対方向の活動電流が流れるため,
興奮はランビエ絞輪をとびとびに伝導していくことになります。これが跳躍伝導です。
そのため無髄神経繊維に比べて有髄神経繊維は,同じ軸索をもっているにもかかわらず,
伝導速度が速いのです。
【アドバイス】
この解説を読んで理解できたな,と思ったら,もう一度問題を解き直してみましょう。
一度間違えた問題を繰り返し解くことで,理解が深まります。
これからも勉強を頑張ってください!