【合成高分子化合物】ポリエチレンテレフタラートのエステル結合の数え方がよくわかりません。
重合度がn のポリエチレンテレフタラートのエステル結合の数がなぜ2n になるのかを教えてください。
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について回答します。
【質問内容】
重合度がn のポリエチレンテレフタラートのエステル結合の数がなぜ2n になるのかについてのご質問ですね。
【質問への回答】
高分子化合物は,小さな構成単位が繰り返し結合した構造をもっています。構成単位が繰り返し結合する反応を重合といい,繰り返し単位の数を重合度といいます。
ポリエチレンテレフタラートは,多数のエステル結合により構成単位のテレフタル酸とエチレングリコールが重合した高分子化合物です。
ポリエチレンテレフタラートについて,重合度とエステル結合の数を考えてみましょう。
ポリエチレンテレフタラートの構造からエステル結合を探すと,
繰り返し単位をつくるためのエステル結合がn個,繰り返し単位どうしをつなぐエステル結合が(n-1)個できるのでエステル結合は合計(2n-1)個できます。
ただし,高分子化合物はnの値が極めて大きく,2n-1≒2nと見なすことが一般的です。
したがって,ポリエチレンテレフタラートでは,重合度がn のとき,繰り返し単位の数はn,エステル結合の数は2nと表されます。
【学習アドバイス】
高分子の縮合重合において,繰り返し単位をつなぐ結合に注意が必要ですが,繰り返し単位をつくる結合にも注意が必要です。今回はポリエチレンテレフタラートについてでしたが,ナイロン66の合成でも同様な注意が必要となるので,重合度と生成する水について注意するようにしましょう。
今後も『進研ゼミ高校講座』を使って,得点を伸ばしていってくださいね。