金属イオンの化学式の後ろに( )をつける場合はどんなとき?【遷移元素と化合物の性質】
金属イオンを書き表すときに,イオンの化学式の後ろに(II)とか(III)とか書くときと書かないときがありますが,どう違うのでしょう。( )をつけて書くときはどんなときなのでしょうか。
進研ゼミからの回答
こんにちは。いただいた質問について回答します。
【質問内容】
金属イオンを書き表すときに,イオンの化学式の後ろに(Ⅱ)とか(Ⅲ)とか書くときと書かないときがありますが,どう違うのでしょう。( )をつけて書くときはどんなときなのでしょうか。
というご質問ですね。
【質問への回答】
金属のイオンは,すべて陽イオンです。金属がイオンになるときには電子を放出するからです。このとき金属自身が酸化されますので,相手物質を還元する還元剤であるわけです。
金属は,陽イオンになるときに放出しうる電子の数が,それぞれの金属によって決まっています。
周期表1族の,リチウム,ナトリウム,カリウム,ルビジウム,セシウムなどは,通常,すべて1つの原子から1つの電子を放出するため,1価の陽イオンになります。
周期表2族の,ベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリウムなどは,通常すべて2価の陽イオンになります。
次に,3族~11族の遷移元素は,すべて金属元素です。これらは,遷移金属とも呼ばれています。
遷移元素には,多くの場合複数の陽イオンが存在します。これらのうち,鉄や銅については,2種類のイオンが生じます。
カッコの中のローマ数字を見れば,イオン式を見なくてもそのイオンの価数がわかるので,便利ですね。覚えておきましょう!!
【学習アドバイス】
複数の陽イオンをとりうる物質については,その場その場でどの価数のイオンになっているかを判断していく必要があります。化学式を書いていくときに,金属元素がイオンになったときに何価になるのかに注意して記述していくようにしましよう。
以上で回答を終わります。
今後も『進研ゼミ高校講座』を使って,得点を伸ばしていってくださいね。