【力学的エネルギー保存の法則】振り子運動についての、力学的エネルギー保存の法則がわかりません。
保存力以外の力が仕事をしていないので,最高点の高さはもとの位置に戻ると思うのですが,なぜ違うのでしょうか。教えてください。
進研ゼミからの回答
【質問の確認】
≪振り子運動についての,力学的エネルギー保存の法則がわかりません。≫
保存力以外の力が仕事をしていないので,最高点の高さはもとの位置に戻ると思うのですが,なぜ違うのでしょうか。教えてください。
【解説】
結論から言いますと,保存力以外の力が仕事をしていないので,『力学的エネルギー』は保存されますが,放物運動の最高点での運動エネルギーは0ではないので,最高点での位置エネルギーが減少するのです。よって,もとの位置までは戻りません。
質問で与えられた放物運動の最高点において,おもりは水平方向の速度をもっているため,運動エネルギーが存在します。
したがって,力学的エネルギー保存の法則を考えると,
『力学的エネルギー:(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=(一定)』より,
点Bを重力による位置エネルギーの基準として,
つまり,最高点の高さはもとの位置に戻らないのですね。(図1)
(★)について:点Cで糸を切った後,おもりは円軌道の接線方向に飛びだし,放物運動をするのですが,
これは、点Cでの速度をvC として,速度vC,角度による斜方投射と考えられます。
よって,水平方向右向きをx軸の正の向き,鉛直方向上向きをy軸の正の向きととると,時間t後の速度が
したがって,放物運動の最高点では鉛直方向には速度をもちませんが,水平方向にはvC cosθの速度をもつので運動エネルギーがあります。
以上で説明を終わります。
【アドバイス】
保存力以外の力がはたらかない場合,力学的エネルギーは保存されます。
単純な振り子運動なら,おもりはもとの位置に戻りますが,本問では点Cで糸を切るので,おもりは放物運動することに気を付けてください。
『力学的エネルギー:(運動エネルギー)+(位置エネルギー)=(一定)』
より,点Aでおもりがもっていた位置エネルギーは,放物運動の最高点での位置エネルギーと運動エネルギーに変換されます。
この回答を参考に,この問題の力学的エネルギー保存の法則の式の立て方を,もう一度しっかり考え直してみましょう。
これからも進研ゼミ高校講座にしっかりと取り組んでいってくださいね。