【落体の運動】自由落下するボールの速度がなぜマイナスになるのか教えてください!
『vAB=-gt-(v0-gt)』という式が解答にありましたが,ボールBの速度はなぜマイナスになるのですか。
私は『gt-(v0-gt)』だと思ってしまいましたが,マイナスにする理由を教えていただけませんか。
進研ゼミからの回答
【質問の確認】
【解答解説】から抜粋部分
問3 任意の時刻tでの投げ上げられたボールAの速度はv0-gt,自由落下するボールBの速度は-gtである。よって,ボールAに対するボールBの相対速度vABは
vAB=-gt-(v0-gt)=-v0
この相対速度の大きさはv0である。 ・・・(答)
≪自由落下するボールの速度がなぜマイナスになるのか教えてください!≫
『vAB=-gt-(v0-gt)』という式が解答にありましたが,ボールBの速度はなぜマイナスになるのですか。
私は『gt-(v0-gt)』だと思ってしまいましたが,マイナスにする理由を教えていただけませんか。
【解説】
速度や加速度は上向きを正としていることに注意しましょう。
ボールAは初速度v0で鉛直上向きに投げ上げたので,時刻tにおける速度の大きさは,v0-gtですね。ボールBは自由落下なので,初速度は0で,時刻tにおけるBの速度の大きさはgtです。
ここで,速度の向きに注意しなければなりません。問3では「Aに対するBの相対速度」を求めるので基準はAの速度で,Aの運動の向きが正になります。時刻tは衝突が起こる前ですので,Aの速度は上向きにv0-gtで,こちらが正になります。Bの速度は下向きなので,大きさgtにマイナスをつける必要があるため,-gtとなります。よって,
vAB=vB-vA=-gt -(v0-gt)=-v0
となります。
【アドバイス】
物理の力学では大きさだけでなく向きにも注意しましょう。また,どちらの向きを正と考えればよいのか意識することも重要です。図に速度や力の向きを書き込みながら,お互いに逆の向きを向いているものは符号も逆になることに気をつけて式を立てましょう。今回のように相対速度を求める問題では基準になる方の速度の向きを正としましたが,特に基準がない場合は,自分で正の向きを決める必要があります。いったん,正の向きを決めたら,正の向きを間違えないように,符号に気をつけて式を立てるようにしましょう。
それでは,これで回答を終わります。これからも『進研ゼミ 高校講座』を活用して,しっかり学習を進めてくださいね。