自分が興味のあること、好きなことにつながる本を選ぶと書きやすくなります。

興味のない内容だとそもそも読むのが苦痛ですし、自分なりの感想を持つことが難しくなります。

そのためには、図書館に行って実際に手に取ってパラパラと読んでみることをおすすめします。

また、課題図書のうちどの本が自分に合いそうかわからないという場合は、図書館のカウンターで司書のかたに相談すると相談に乗ってもらえます。

ただ、図書館で課題図書を検討する場合、予約が入ってしまうことも多いので、早めに行くようにしましょう。

「共感できる」「関心が持てる」内容の本を選ぶのが、最大のポイントです。

小学生の場合、よく選ばれるジャンルは児童文学や小説です。素直に「読んでいて楽しい」と思える本を選びましょう。

児童文学では対象年齢やあらすじが記載されていることがほとんどですから、何冊か目を通して選ぶのが理想的です。

さらに「登場人物や舞台などが興味を持てそうな設定になっているか」「家族、友達、学校、スポーツなど、テーマが自分の興味・関心に近いものかどうか」と考えていくと、本を選びやすくなります。

自分の興味・関心によっては、偉人の伝記や理科や社会のノンフィクションを選ぶのも選択肢のひとつです。

その場合も、小学生や中学生を対象とした書籍のように、自分の年齢に合った書籍から選ぶと読みやすくなるでしょう。

それでも、本を選ぶのに迷ってしまうというときには、課題図書の中から選ぶのもおすすめです。

本の選び方で最も大切なことは、「発達段階に合っていること」「興味を持って楽しく読めるものであること」の2つです。

本の内容自体が難しすぎたり、本を読むこと自体がつまらなくなってしまったりしては、本末転倒です。

年齢や学年に合わせて、興味を持って読める内容かどうか、しっかりと読み切れるボリュームかどうかということに注目して、選び直しましょう。

ただ漫然と読むのではなく、次のような点を意識しましょう。

・心が動いた箇所に付箋をはっていく

驚いた点、感心した点、嬉しかった点、悲しくなった点など、自分の心が動いた点に付箋やマーカーで印をつけると、感想をまとめていく際に自分の心の動きを把握しやすくなります。

・賛成と反対、共感と疑問など自分の意見別に付箋やマーカーの色を変える

自分の意見別に付箋やマーカーの色を変えて整理しておくと、自分の感情を整理しやすくなります。

・印象に残ったセリフに印をつける

登場人物のセリフを効果的に引用すると読み手を惹きつけることができます。「かっこいい」「感動する」という箇所に印をつけておくと良いでしょう。

・目的別に2回読む

1回目は、読書感想文のことはあまり考えず、読むことに集中し、2回目は、自分の心が動いた箇所に付箋などを用いて書き込みをしながら読むのがおすすめの方法です。

本を読むときにメモをとっておくと読書感想文を書くときにとても役立ちます。その際、以下のようなリストを準備して、当てはまる内容があればメモをとっておきましょう。

＜本に関する情報＞

・この本を選んだ理由
・本を読む前の印象
・本のあらすじ

＜心を動かされた内容＞

・本を読んで新しく知ったこと、気づいたこと
・感動したところや印象に残った場面とその理由
・疑問に思ったところとその理由
・好きな登場人物や場面とその理由
・嫌いな登場人物や場面とその理由

＜本を読んだあとの感想や意見＞

・本を読んだあと、どう思ったか
・本を読んで、自分の考えが変わったと思うところ

＜さらに深く掘り下げるために＞

・同じような経験をしたことがあると感じたところはあるか。それはどんな経験だったか
・もし自分が主人公だったら、どうしたと思うか。それはなぜか
・作者が言いたかったことはどんなことだと思うか。それに対して自分はどう思うか

童話・物語・小説などの感想文を書きたい場合、それらを原作とした漫画や映画があれば、まずそれを見て内容を楽しみ、その後で原作を読むこともできます。

しかし、漫画や映画と原作の本とで感想が異なってくる可能性もあります。

なぜなら、漫画の書き手、映画の作り手の「私はこの本をこのように読み取った」という読み手の解釈が漫画や映像の形になっているからです。

したがって、漫画や映画だけで感想文を書くのではなく、漫画や映画であらすじを理解し、漫画の書き手、映画の作り手の解釈を楽しんだ後で、自分で原作の本を読んでみることをお勧めします。

そうすると、内容を読み取りやすいだけではなく、漫画や映画の解釈も参考にしたうえで、「私はこのように読んだ」という感想文も書きやすくなります。

読書感想文が苦手なかたでも比較的書き始めやすいのは次の3つの書き出しの方法です。

(1)あらすじを紹介する／「この本は、○○のお話です。」

物語文であれば、誰が、どこで、どうする話なのかといったあらすじを最初に紹介するのは、読書感想文の定番のひとつです。ただし、あらすじの説明に字数を割きすぎず簡潔にまとめるように心がけましょう。

(2)登場人物を紹介する／「この本に出てくる○○は、～～な人です。」

物語の登場人物（主に主人公）の紹介から書き始める方法は、登場人物に深く感情移入した作品におすすめです。主人公は誰か、どんな性格か、何が得意かなどに着目してまとめましょう。

(3)本との出会いを紹介する／「この本を読んだきっかけは、○○です。」

本と出会ったきっかけから書き始める方法は比較的どのような作品にも用いやすい方法です。なぜ読もうと思ったか、誰からすすめられたかなどを振り返ってまとめましょう。

次の4つのステップに沿って進めるのが、読書感想文を書くコツです。

【ステップ1】読書感想文に書くことを意識して、本を読む

「本に関する情報」「心を動かされた内容」「本を読んだあとの感想や意見」をメモしながら本を読みましょう。

【ステップ2】書きたい内容を整理する「構想メモ」を作る

ステップ1でメモしたことをもとに、「どのように心を動かされたのか？」「なぜそう思ったのか？」と問いかけて書きたいことを洗い出し構想メモを作りましょう。

【ステップ3】「はじめ・なか・まとめ」の形で文章の構成を考える

一般的な作文と同じように「はじめ」「なか」「まとめ」に、それぞれどのような内容を書きたいか構成をまとめましょう。

【ステップ4】原稿用紙に書いた文章を読み返す

原稿用紙に書いたら間違いがないか読み直し、別の原稿用紙に清書できるとよいですね。

読書感想文の文章の構成は、一般的な作文と同じように「はじめ」「なか」「まとめ」の3パートに分けると書きやすくなります。

・はじめ

本のあらすじや本を選んだ理由やきっかけを書いて、本の内容を紹介します。

・なか

読書感想文のメインになる部分です。心を動かされた部分を具体的に引用しながら、どのように感じたか、なぜそのように感じたのか、さらに似た経験をしたことなどを書きます。

・まとめ

ここまで書いたことをもとに本を読んで感じたことや考えたことをまとめます。

読書感想文の最後のまとめ部分は、ここまで書いてきたことをもとに、本を読んで感じたことや考えたことをまとめます。

「本を読んでどんなことを考えたか」「自分が主人公だったらどうしたいか」といったことを素直な言葉で書くことができると、オリジナリティーのある文章になるでしょう。

また、「本を読んで感じたことを、自分の生活にどう生かしたいか」「本を読んで感じたことから、自分の中で起きた変化」などをまとめられると、読み手の印象に残る文章にすることができます。

内容をふくらませるコツを以下に紹介します。

・本のあらすじをふくらませる

あらすじだけでなく、選んだ本に興味を持ったきっかけや理由を書けると内容に広がりを出すことができます。

・本を読んで感動したことをふくらませる

感動した場面や印象に残った場面、本を読んで新しく知ったことなどを引用したり、要約したりしたうえで、感動した気持ちだけでなく疑問に思ったことを書きます。なぜそう思ったかの理由も掘り下げていけると良いでしょう。

・心を動かされた場面から自分なりに考えたことをふくらませる

主人公の気持ちや物語の中で起こった出来事を、自分の心情や実際の体験と照らし合わせることができると深い内容にすることができます。心を動かされた場面で「自分だったらどうしただろう」と考えてみましょう。

・本を読む前と読んだあとの本に対する印象の変化を書き加える

「読む前は○○だと思っていたけれど、読んでみたら△△だった」というポイントがあれば、書きましょう。

・本を読んで考えたことをふくらませる

本を読んだ結果、気づいたことや考えたことを書く際、「この本を読んで、私は○○と考えました」のほかに、「そこで、これからは△△したいと思います」のように自分の生活に引き寄せて書けると、きれいにまとめることができます。

あらすじを整理するコツは以下の3点をまとめることです。

(1)物語の舞台や登場人物の説明
(2)物語の中で起こるできごとの説明
(3)できごとの結果として起こる反応の説明

このうち、最初に(1)と(3)を書き、(2)は最後に記入するのがポイントです。(1)と(3)を明確にすると、内容が多くなりがちな(2)に書くべきことが絞りやすくなるからです。『シンデレラ』の物語を例にすると、

(1)シンデレラは継母や姉たちにいじめられて、不幸な生活を送っていました。
(3)シンデレラは王子に愛されて妃となりました。
(2)不思議な力によって城で開催された舞踏会に行ったシンデレラは、王子と出会いました。しかし、夜12時までに帰らねばならず城を後にしましたが、帰り際に靴の片方を落としたことで王子から見いだされました。

どのような物語でもこの3つに整理できることを覚えておいてください。

原稿用紙に文章を書くときの基本的なルールとしては以下のものがあります。

・段落の始めは、一字下げる。

・段落が変わる際は、改行する。

・会話文は、かぎかっこ（「　」）を使い、改行して書く。

・会話のはじめのかぎがっこ（「）は、改行した１マス目に書く。１マス空けなくてもよい。

・会話文の終わりは、１つのマス目に句点（。）とかぎがっこ（」）を一緒に書く。

・会話文が次の行にも続く際は、行頭を１マスあけてもあけなくてもどちらでも良い。

・会話文が終わったら、改行する。

・会話文の次に続く文章は、同じ段落内であれば行頭を１マス空けなくて良い。

・句点（。）、読点（、）、受けのかぎかっこ（」）は行頭に書かない。前の行の最後のマスに他の字と一緒に入れるか、欄外に書く。

・小さな「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」は行頭に書いても良い。ただし、気になる場合は、前の行の最後のマスか欄外に書いても良い。

読書感想文では「この感想文、読んでみたい！」と思われるような題名を工夫しましょう。

なかなか題名が浮かばないときには、本を読むときにメモをしたこと、感想文の中で繰り返し出てきた言葉を入れてみるのがコツです。

また、自分が感動したことや最も言いたいことをキーワードとして入れるのもおすすめです。

例えば「『〇〇（本のタイトル）』を読んで」という題名では少しインパクトが弱いかもしれません。

もし手紙形式の感想文であれば「●●（主人公の名前）へ。××がんばってね」などとメッセージ形式にすると個性が出ますし、感想文の内容も読み手が想像しやすくなります。

また「●●の犬と僕の犬」など、自分と作品を近づけるキーワードを使うのも手です。

さらに「●●のお母さんがつくったぬいぐるみ」など、印象に残ったシーンを題名にするのも、感想文の書き手の気持ちがよく伝わってきます。

読書感想文を完成させるには「本を選ぶ」「本を読む」「感想文を書く」という３つの作業が必要です。それぞれの作業を短時間で仕上げるコツは以下の通りです。

「本を選ぶ」

自分の経験のある分野の本、興味があるテーマの本など、自分の体験に基づいたことが書ける本を選ぶと書きやすくなります。

「本を読む」

本を選んだ理由などの本に関する情報、本を読んで新しく知ったことや感動したことなどの心を動かされた内容、本を読んだあとの感想や意見をメモしながら読みましょう。

「感想文を書く」

次の４つのQに答えてテンプレートを埋めるつもりで書くことを考えていけば、短時間で書く内容をまとめられます。

Q1　本を読んで、心に残ったことは？
Q2　自分や、自分の周りで似たようなことはある？　自分ならどうする？
Q3　今どんなことを考えていますか？
Q4　作者や登場人物に言ってあげたいことは？

※テンプレートはここからダウンロードできます。
https://benesse.jp/dokusho/step3/

どうしても書けないときの裏技としては、次の２つのポイントがあります。

ポイント1　作者や主人公に宛てたような手紙形式にする

書き始めから「○○さんへ」と作者や主人公へ宛てた手紙形式にします。

「あのとき、○○さんは大変だったでしょう。僕もびっくりしました」と手紙を書くように進めれば、何が書きたいか焦点がはっきりして、陥りがちな「あらすじ書き」から、自然と逃れられます。

ポイント2　「はじめ」「なか１」「なか２」「まとめ」の4部構成の内容を親子で話し合いながら考える

（１）「はじめ」

書き出しの部分には本を読んだきっかけや、本の簡単な内容を書きます。
本を読む前にどんな印象を受けていたか、親子で話をすると良いでしょう。
読み始めたきっかけと、読む前の印象の2つを入れることでスムーズに書き始めることができます。

（２）「なか１」

本を読んで「ドキドキしたこと」や「わくわくしたこと」などを具体的に書きます。
どの部分が印象に残っているか、面白かったところはどこかを洗い出してみましょう。
「自分や、自分の周りで似たようなことはある？　自分ならどうする？」と、自分の体験に照らして考えてみるとよいでしょう。

（３）「なか２」

「なか1」以外に印象に残った部分を「なか1」と同じように、具体的に書きます。
3～4つ候補を挙げて、親子で選ぶとよりスムーズに書けます。

（４）「まとめ」

「まとめ」の部分では、作者が伝えたかったことに対して、何を思ったか、自分の考えを書きます。
読んだあとの印象や本を通じて何を学んだか、素直な考えを書きましょう。

読書感想文をうまく字数にまとめことができないという事態に陥ってしまうのは、事前に書きたい内容をどのように構成するか考えず、いきなり原稿用紙に書き始めた場合がほとんどです。

原稿用紙に書き始める前に、まずは自分の書きたいことを、どのように構成するか、それぞれにどの程度の字数を割くかという計画を立てましょう。

構成は次の「はじめ」「なか」「まとめ」の3パートに分けるといいでしょう。

・はじめ

本のあらすじや本を選んだ理由やきっかけなど本の内容を紹介。

・なか

読書感想文のメイン。
心を動かされた部分、どのように感じたか、なぜそのように感じたのか、さらに似た経験をしたことなどを書く。

・まとめ

ここまで書いたことのまとめ。

よい読書感想文とは、独自の「視点」「切り口」があり、読み手にわかりやすくまとめられたものです。

本の感想を子どもに聞くと、とりあえず「すごい」としか言わないことがよくあります。
「主人公はすごい人だと思います」「私も主人公のような人になりたいと思いました」といった感想文がよくあるパターンですが、これでは人に興味を持って読んでもらえる感想文にはなりません。

「読ませる」文章にするためには、自分なりのテーマや「視点」（切り口）が必要です。

主人公のどのような点がすごいのか、物語にはどのような特徴があるのか、どのような点がおもしろいのかといった形で、独自の切り口から読み解き、自分なりに考えを深めていくことで、その人にしか書けない作品が生まれるのです。

子どもの多くは、直感的にさまざまなことをつかみ取る力に長けていて、とりとめのない感想しか思い浮かばないように見えても、実は独自の発想力や鋭い問題提起が背後にあることも少なくありません。

自分独自の発想を大切にしたうえで、「それはどういうこと？」と自分に辛抱強く問いかけることで、読み手にもわかりやすく独自の視点と切り口のあるよい読書感想文を目指しましょう。

読書感想文とは本を読んで感じたことや考えたことを書く文章ですが、漠然と本を読んでいると「おもしろかった」以外に特に思いつかない、という状態に陥ってしまいます。

本を読んで感じたこと、考えたこととは以下のような内容です。これらを意識して本を読み、メモしておきましょう。

・本を読んで新しく知ったこと、気づいたこと
・感動したところや印象に残った場面とその理由
・疑問に思ったところとその理由
・好きな登場人物や場面とその理由
・嫌いな登場人物や場面とその理由
・本を読んだあと、どう思ったか
・本を読んで、自分の考えが変わったと思うところ
・同じような経験をしたことがあると感じたところはあるか。それはどんな経験だったか
・もし自分が主人公だったら、どうしたと思うか。それはなぜか
・作者が言いたかったことはどんなことだと思うか。それに対して自分はどう思うか

読書感想文では、本の中で心を動かされた場面から自分なりに考えたことを述べることも大事です。

特に主人公の気持ちや物語の中で起こった出来事を、自分の実際の体験と照らし合わせることができれば、より深い内容となり、独自の視点の光る感想文となります。

例えば、「主人公は○○のように行動したけれど、私が同じような経験をしたときは△△のように行動した。主人公の行動は□□だと言える」といった形で対比するのもよいでしょう。

ただし、あくまでも求められているのは読書感想文なので、自分の体験に字数を割きすぎないように注意しましょう。

書きたいことを思いついたら、「構想メモ」を作って整理することが大事です。

本を読みながらメモしたことなどの中で書きたいことをまずは箇条書きで書き出してみましょう。

そして、書き出したことの中で「一番言いたいことは何か」を決めたうえで、それに沿って自分の考えや感じたこと、似たような自分の経験などを掘り下げて、さらに書き出して整理しましょう。

例えば、次の例のようにまとめていくのが良いでしょう。

・主人公が挫折を乗り越えてたくましく成長した姿に感動したことを書きたい。
・そのとき、私自身もスイミングでなかなか記録を出せずに苦しんだ経験を重ね合わせたい。
・主人公が一度逃げ出したとき、自分も同じような経験があるため胸が苦しくなった。
・主人公がもう一度チャレンジしようと思えたのは〜〜だと思う。

このような形で整理したことを、「はじめ」「なか」「まとめ」の３パートに当てはめて書けばうまくまとめられます。

読書感想文が得意になるコツのまず一つ目は、読書の楽しさを実感することです。

時間を上手に活用して、家庭でも積極的に読書時間を設けるようにしましょう。
本の選び方がわからない場合は、親子で相談したり、図書館でお勧めの本を手に取ったりしてもいいでしょう。

自分が読んで楽しいと思える本を選ぶのがポイントです。

二つ目のコツは、本を読んだ後に感想を書いてみる習慣を付けることです。

最初は、ご家庭で親子で本の感想について話し合うことから始めて、簡単なメモ程度でも自分の思ったこと、気づいたことなどを文章にすることに慣れていくとよいでしょう。

そうして本を読み、考え、書く練習をすることで、読書感想文を「得意」に変えていくことができます。

以下の４つのQに答えてテンプレートを埋めて、そこから話をふくらませていけば、読書感想文のまとめ方が自然と身に付きます。

低学年の場合は最初は親子でおしゃべりをしながら埋めていく方法がおすすめですが、慣れてきたら何も使わずに挑戦してみましょう。

Q1　本を読んで、心に残ったことは？

「友達っていいなと思った」「主人公ががんばっていてえらいなと思った」など、焦点を絞り、話をふくらませやすくなります。

Q2　自分や、自分の周りで似たようなことはある？　自分ならどうする？

自分の実際の体験や、自分だったらどうかと考えることで、より文章に深みが増し、個性あふれる文章になります。

Q3　今どんなことを考えていますか？

「主人公のように自分もがんばりたい」など、本を読んで自分の生活に生かしていきたい部分などがプラスできます。

Q4　作者や登場人物に言ってあげたいことは？

「努力することの大切さを教えてくれてありがとう」など、まとめとなる部分に使うことができます。

※テンプレートはここからダウンロードできます。
https://benesse.jp/dokusho/step3/

コンクールに応募するときは、募集要項で規定などをしっかりと確認したうえで、本を選ぶところからよく考えて取り組む必要があります。

また、ポイントを押さえた読み手に伝わる書き方で読書感想文を仕上げることが大切です。
本の選び方や、書き方については、このサイトの情報を参考に取り組んでみましょう。

夏休みの期間には、数多くの読書感想文コンクールが開催されています。
宿題として感想文に取り組むだけではなく、この夏のチャレンジとしてコンクールに応募してみてはいかがでしょうか。

コンクール一覧はこちらを参照してください。
https://benesse.jp/dokusho/kakikata/concours/

小学校低学年では、読書と作文に親しむことが読書感想文の大きな目的です。

保護者のかたは「どんなところがおもしろかった？」「主人公のどんなところが好き？」などと問いかけてお子さんと対話しながら、感想や意見を引き出しててあげましょう。

このとき大事なのはお子さんの考えを興味を持って聞く姿勢です。

「何を言っても大丈夫、おもしろがって聞いてもらえる」と思えれば、子どもも自信をもって意見を言えるようになります。

たとえ「それは違うのでは？」という意見が出てきても否定しないことも大切です。

むしろ、大人が「え？」と思うような感想のほうが、よく話を聞いて引き出してあげると深い問題意識に行き着くケースが多いのです。

「早く」「無難に」まとめようとせずに、意見が出てくるまで辛抱強く待ち、「その考え方、おもしろいなあ」「それ、どういうこと？」とお子さんとの対話を楽しんでみてください。

あらすじばかりになってしまうのは、「おもしろかった」「驚いた」くらいしか感想が思い浮かばず、仕方なくあらすじで原稿用紙のマス目を埋めているのでしょう。

豊かな感想を書くためには、「どこがおもしろかったのか」「なぜおもしろいと感じたのか」「似た体験をしたことがあるか」といった振り返りをする必要があります。

小学校低学年で自分で問いかける力が十分に育っていない場合は、保護者のかたが質問して感想を引き出してあげましょう。

感想がないのではなく、単に言葉にできなかっただけだと本人も気づくはずです。

読書感想文の目的は、「読書の楽しさに触れる」そして「考える力や書く力を育てる」ことです。

さまざまな本を読むことは、感受性や想像力、情緒を育て、文章を読み解く練習や、語彙(ごい)を増やすことにもつながります。

いつもは本を読まないというお子さんにも、読書の楽しさを知るきっかけとなりますし、ふだんは読まないジャンルの本に挑戦してみるのも、読書の世界を広げることに役立ちます。

そして、自分の感想を人に伝えるために文章にすることは、考えること、書くことのよい練習になります。

考える力や書く力は、学年を問わず、さらに大学や社会でも必要になる力です。以上のように読書感想文が、将来にわたって役立つ力を育むことを伝えましょう。

また、自分の考えを人に伝える楽しさを知ってほしいということも、読書感想文の目的のひとつです。

読書感想文とは「本を読む楽しさや人に伝える喜びを知る」ためのものであることもぜひお子さんに伝えてください。

・文章を子どもと一緒に読み返す

お子さんは文章を書くことに精一杯で、書き終えた後、書いたものを読み返さないことがほとんどです。保護者のかたが、一緒に文章を読み返してまずはよく書けている部分をほめたうえで、同じような表現になってしまっているところを指摘しましょう。

・似た意味の言葉をたくさん書き出す

「楽しかった。」や「おもしろかった。」といった表現ばかりが使われている場合は、似た意味の他の言葉を考えさせましょう。例えば「おもしろい」という言葉からは、「楽しい」「ゆかいだ」「わくわくする」「興味深い」「どきどきする」「不思議だ」などの似ている意味の言葉が引き出せます。子どもは思いついた言葉をそのまま使いがちですが、少し考えるだけで他の表現もできることに気づかせましょう。言葉を書き出すことができたら、その中から気持ちにぴったりと合った言葉を選び、言葉を入れ替えて文章を整えていきます。

・慣用句やことわざ、比喩表現に挑戦する

慣用句やことわざ、比喩表現を用いるとより表現が豊かになります。例えば、慣用句を使うと、「ぼくは、ケンタと仲良しです。」→「ぼくは、ケンタと息が合います。」のように表現を変えることができます。比喩表現であれば、「悲しくて、涙が出ました。」→「悲しくて、涙が雨のように出ました。」のように悲しみをより深く表現することができます。「～のように」を使うと、比喩表現を用いやすくなります。

小学校高学年になると、自分の感じたことを書くだけでなく、本を読んで考えたことや意見をより論理的な文章で表現できるように練習すると、読書感想文がレベルアップします。

本を読んだ感想は本のどの部分についてのことなのかを引用したり、本の内容に似た自分の体験などを挙げたりすることで具体例を示すと、自分の感じたことがより生き生きと伝わります。

さらに、自分はなぜそのように考えたのかという意見の理由を詳しく述べて、説得力のある文章にまとめるのも大事です。

保護者のかたは、お子さんが感想を述べた際に「そんなふうに感じたのはなぜ？」と理由を掘り下げる問いかけをしてあげると、考えを深める助けになります。

読書感想文に限らず、低学年の子どもは自力で作文を書くのは難しい場合がほとんどです。

第三者に向けて書き言葉で表現するためには、自分の頭の中を客観視する必要がありますが、低学年ではまだそのような力が十分に育っていません。

ですから、低学年の時期にうまく文章が書けなくても、心配せず当たり前のこととして受け止めてください。

ただし、低学年の子どもであっても、成長段階に合った本を読めばいろいろと感じ取って感想を抱きます。

保護者が「本を読んでどんなことを思った？」と問いかけて親子で話し合うことで、子どもの中にある感想を書き言葉にするプロセスを手厚くサポートしてあげてください。

読書感想文で最も大事な作業は、最初のステップである「本選び」です。

ここで、子どもが興味を持って読み進めることができる適切な本を選ぶことができれば、読書感想文を書く作業はぐっと進めやすくなります。

しかし、ここで「好きなものを選びなさい」と子ども1人に任せてしまわないことが大事です。

子どもは情報収集能力が大人ほど高くはないので、自分に適した本を選ぶことが難しいからです。

本選びには保護者も参加して、子どもが興味関心を持って読める本はどれかを一緒に検討しましょう。

ただし、「これにしなさい」と押し付けるのではなく、あくまでも紹介・推薦するという姿勢で提案し、子どもが「自分が選んだ」という形で取り組めるようにしましょう。