3 OPINIONS
2023.1.31
乱れてしまった生活リズム、
整えるには?
保護者
生活リズムは大切だとわかっているが、反抗期で言うことをきかない
毎晩寝るようにうるさく言っては親子バトルになり、朝なかなか起きない娘を起こすだけで一苦労の日々です。
最近学校では、体育の持久走や放課後のクラブ活動があり、毎日疲れて帰宅するため、体調を崩さないよう早寝してほしいのですが、反抗期で親が言ってもきかず、毎晩寝るのが遅くなりがちです。
寝不足で学校に行った日は、授業中にぼーっとしたり、体育のときに具合が悪くなったりしていないか気になっています。
朝ごはんは大事だとよく言われるので、親としてもちゃんとしなければと思い、娘が寝坊した日は、素早く食べられるおにぎりや好物のソーセージを用意するなどして、必ず何かは食べさせてから学校に送り出すようにしています。
小5女子の母
教員
日頃の様子から心身の不調のサイン(SOS)を見逃さないことが大切
今の時期、小・中学校では、頭が痛い、気持ちが悪い、だるい、眠い、ぼーっとするなど、心身の不調で保健室にくる児童・生徒が増えます。
そんなときには、心身の不調の背景に何が関係しているのかを子どもに聞き、一緒に考えていきます。 話を聞いたり、一緒に考えたりしていると、「生活リズムの乱れ」が関連していることが少なからずあります。 中でも、夜遅い時間までゲームやSNSをすることで、寝る時刻・起きる時刻がどんどん後ろ倒しになり、そこから睡眠や食事など生活リズム全般が崩れ、心身の不調につながるというケースがあります。
ご家庭では、子どもの生活リズムを整えることと、日頃の様子から心身の不調のサイン(SOS)を見逃さないこと、SOSをキャッチしたら学校、医療や相談などの専門機関と連携してサポートすることが大切になります。
スクールカウンセラー
宮城大学 相樂直子 先生
研究者
睡眠は時間だけでなく規則正しさも重要 休日の睡眠から見直そう
生活リズムが崩れると、学校の成績にも影響するのでしょうか。
早稲田大学 理工学術院 柴田重信研究室とベネッセ教育総合研究所の共同研究による「子どもの生活リズムと健康・学習習慣に関する調査2021」からは、成績が良いと回答した子どもは、そうでない子どもに比べて、規則正しい睡眠をとっていると回答する割合も高いことが明らかになっています(下図)。
次の日が休みだとつい夜ふかししてしまい、平日・休日で生活リズムが不規則になりがちです。
一度身についた睡眠習慣を変えるのは難しく感じてしまうかもしれませんが、まずは、休日の就寝時間から見直していきましょう。食事のタイミングや寝る前のスマホやテレビを短くすることで、遅寝を防いでいけるとよいですね。
広島大学 大学院医系科学研究科
准教授 田原優 先生
取材・執筆:神田有希子
※掲載されている内容は2023年1月時点の情報です。
3OPINIONS 第1回:子どもにやる気を出させるには?