【国語】複数の資料を関連づけて整理する力が試される!!大学入学共通テスト分析と対策

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「大学入試センター試験」の国語では、一つの大問で問題文は原則一つでしたが、「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」になってから今年度までの4回、一つの大問で複数の文章が出される、設問内で問題文に関わる別の文章やメモなどの資料が示されるといった「複数資料型」の出題が続いています。

一つの文章を読解するだけでなく、複数の資料を関連付けて整理する力が求められることや、目を通さなければならない文章や資料が増えたことがあり、特別な対策が求められるように感じられます。

また、2025年からは新課程入試となり、国語では試験時間が10分増え、図やグラフなどを含む「実用的な文章」の大問が追加されます。
「難しそうだな」と不安に思うかたもいるかもしれません。

しかし、ベースとなるのは、高校の授業などで身に付けられる国語の知識・読解力です。

そこで今回は、2024年度の共通テストの出題内容の分析と共通テストに向けた対策をご紹介します。

「複数資料型」の問題が様々な文章・形式で出される!

2024年度の共通テストでは、論理的な文章(評論)・文学的な文章(小説)・古文・漢文の4つの出題分野すべてで、「複数資料型」の問題が出されました。

たとえば、第1問(評論)では、問題文のテーマにかかわる課題に対して生徒が書いた文章という設定で【文章】が、第2問(小説)では、本文の理解を深めるための【資料】とそれに基づいた教師と生徒の対話文が、第3問(古文)では、本文を解説した現代文の文章が、第4問(漢文)では、【詩】(漢詩)と関連する【資料】が、出されました。

また、生徒が書いた文章を〈推敲〉する形式の問題、複数の資料を踏まえて漢詩を〈鑑賞〉する形式の問題など、「言語活動の充実」を意識した出題がありました。

今後も、「複数資料型」の問題がさまざまな文章・形式で出されると予想されます。

  • 共通テストで特徴的な「複数資料型」の出題に注意

共通テストで高得点をとるための3つの対策!!

共通テストの出題傾向から考えられる国語の対策は3点あります。

1.さまざまな文章・資料を正確に読み取る力を身に付ける

「複数資料型」の問題を解く際には、複数の資料の《関係性をつかむ》《資料のどこに着目すべきかを見極める》といったポイントがありますが、まず必要になるのは、「資料の内容を正確に読み取る力」です。
この力は、「複数資料型」ではない従来型の出題でも前提となるものです。
評論・小説・古文・漢文のどの分野でも、さまざまな文章に触れ、たとえば次のような、文章に合った「読み方」を身に付けておきましょう。

  • 評論では、《文章のテーマ・話題》を押さえ、それに対する《筆者の主張》をつかむ
  • 小説では《場面状況》を踏まえて《人物の心情》をとらえる
  • 古文・漢文では《誰が-どうした》に着目して話の展開をとらえる

共通テストで出題される文章自体は、標準的な難易度のものがほとんどです。
教科書の文章を読む時や、市販の問題集に取り組む際に、上記のことを意識して、一つ一つの文章や資料を正確に読み取れるよう練習を重ねておきましょう。

2.さまざまな形式の出題で、複数の資料を関連付けて読み取ることに慣れる

共通テストで高得点をとるためには、「複数資料型」の問題で得点できる力を身に付けることが必須です。共通テスト対策の問題集などに取り組み、「複数資料型」の問題に慣れておきましょう。

文章だけでなく、図表、統計資料、レポートなどさまざまな形の資料を用いた出題形式も予想されます。

複数の資料を限られた時間で効率よく読み取ることができるように、《資料のどこに着目すべきであるか》《読み取るべき情報は何か》を意識して、必要な情報を読み取り、資料同士を関連付けながら整理していく練習をしておくとよいでしょう。

また、資料同士の共通点・相違点をつかむ練習や、読み取った情報を別の言葉で一般化・抽象化してとらえる練習を積み重ねておくことで、紛らわしい選択肢が出されても対応することができるようになるでしょう。

3.基礎知識を身に付けるとともに、知識を活用できるようになる

「複数資料型」の問題が注目を集めがちですが、共通テストでは、漢字や語彙(ごい)の設問、古文文法・漢文句法の設問など、「知識問題」も出されます。

共通テストで出される知識問題は標準的な内容が多く、比較的得点しやすいものがほとんどです。したがって、知識問題で確実に得点できるように、知識の定着を進めておきたいところです。

読解問題を解く際も──特に古文・漢文で──知識を活用する力が必要となります。
そのため、頻出古語、古文文法の習得は必須です。
漢文句法、漢詩のきまりも必ず押さえておきましょう。
スキマ時間に知識問題を扱ったドリルに取り組み、そのうえで、読解の設問を含む問題に取り組んだ際に、身に付けた知識が活用できているかを確認する演習をしていきましょう。

  • さまざまなジャンルの文章・資料を正確に読み取る力を付ける
  • 複数の資料を関連付けて整理する力を付ける
  • 漢字・語彙や文法といった知識の定着を進める

まとめ & 実践 TIPS

共通テストでは今後も「複数資料型」の出題が続くと予想されますが、学校における学習だけではまったく太刀打ちできない「難しい」問題ではありません。
知識を身に付け、普段の生活から積極的にさまざまなジャンルの文章・資料に触れ、複数の資料を関連付けて読む力を養成しておきましょう。

株式会社プランディット 国語課 岩本(いわもと)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの国語の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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