成績が伸び悩みがちな5年生、原因は?確認ポイントと立て直しの進め方【中学受験】

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5年生の2学期は、成績が伸び悩むお子さんが多くなる時期です。模試やクラス分けテストで成果が出ないなど伸び悩みの兆候が出たときに、どのように立て直せばよいのか、森上教育研究所がお伝えします。

勉強を「面白い」と感じられる環境になっているか確認を

伸び悩みの原因は勉強が「面白くない」から

5年生の2学期は、難しい単元が多くなり塾で学習を続ける中でわからないところが出てきてお子さんが不得意感を持ちやすい時期です。
わからないところが解決されないままになっていると、模試などでの成績も伸び悩むようになってしまいます。
こうした状況に陥る原因を一言で言うと、お子さん本人が勉強を「面白くない」と感じているからです。

この状況を立て直すには、お子さんに勉強が「面白い」と思える環境を用意できているかまず確認する必要があります。
難しい単元が多い時期とはいえ適切な指導が行われていれば、着実に学力を伸ばしていくことは可能なわけですから、伸びていないのは周囲に何らかの問題があると考えられます。お子さんが悪いと考えるのではなく、環境を見直してみましょう。

勉強を「面白い」と感じられるよう子どもの環境を見直す

まず、お子さんの学習が「面白がらせる」内容になっているか確認しましょう。
たとえば計算問題一つをとってみても、「面白い計算」と「つまらない計算」があります。「つまらない問題」ばかりをやらせるような指導が続けば、お子さんが勉強を「面白くない」と感じるのも当然です。
塾の指導や家庭学習の内容を「面白い」「わかった」と感じられる工夫ができているかという観点で見直してみましょう。

また、塾でわからないところが出てきたときに聞くことができずにそのままになってしまうことも、勉強が「面白い」と感じられなくなる大きな原因です。
塾での授業内容をお子さんに確認し、わからないことをなかなか質問できないといった場合には、ご家庭で早いうちにわからないところを整理するなどの工夫をして早めの疑問解消を目指しましょう。

環境が改善できない場合は、転塾も視野に検討を

新6年生に上がるタイミングは転塾の最も多い時期

ただ、ご家庭で努力してもやはり現在の塾ではどうしてもお子さんが勉強を「面白い」と感じられない、一斉指導ではわからないことが積み重なってしまうということであれば、転塾など環境を変えることを検討してみるのも大事です。

5年生から新6年生に上がるタイミングは、お子さんの学力や志望により合う環境を求めて転塾することが最も多い時期です。
たとえば、授業中にどの程度お子さんに声をかけてくれるかという観点で新たに塾を選ぶのもいいでしょう。目指す志望校に通学しているお子さんの保護者のかたに、どの塾を選んだのかお話を聞くのもよいでしょう。

少人数指導の塾、個別指導での補強も検討を

また、大人数の塾でうまくいかなかった場合は、少人数指導の塾も検討されることをおすすめします。
個別指導のほうが1対1なのでよりよいと感じられるかもしれませんが、個別指導の場合は指導者の質に大きく左右されるという懸念もあります。5、6人のグループ指導を行う先生は一定以上の質が確保されている場合が多いので、まずは少人数指導の塾を検討してみましょう。

個別指導については、塾を変えない場合に補強としてお願いするのが効果的です。
たとえば、難しい単元を学習している時期に疑問を解消するためにピンポイントで指導してもらうというやり方が考えられます。また、志望校によって問題傾向は異なりますので、入試の傾向に沿った問題の解き方を集中的に学習するためにお願いしてもよいでしょう。

お子さんの成績が伸び悩むと親御さんも悲観的になりがちですが、お子さんが悪いのではなく環境さえよくなれば必ず伸びるととらえてお子さんの環境を整えてあげてください。

まとめ & 実践 TIPS

5年生の2学期は、お子さんが不得意感を持ちやすく成績も伸び悩む時期です。
その原因は勉強が「面白い」と感じられないからです。
お子さんが悪いと考えるのではなく、学習が「面白がらせる」内容になっているか、わからないところを質問できているかなど環境を見直してみましょう。そして環境がよくない場合は、転塾、個別指導での補強を検討しましょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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