高まる「大学附属校」熱 選択するポイントは?

近年、中学入試での「大学附属校人気」が話題となっていますが、高校入試でも大学附属校に志望者が集まる傾向が見られます。今回は大学附属校を検討する際、注意すべき点についてお話しします。

調べておきたい内部進学率、系列大学への推薦制度

早慶、MARCH、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)など、著名な総合大学の附属・系列校では、系列大学への内部進学率は総じて高くなっています。その一方で、国公立大学、併設大学にない学部等の条件で、併設大学への推薦権を保持したまま、他大学の受験を認める附属校も増えています。

たとえば日大の附属校のいくつかは「特進コース」を設けて他大学進学を積極的に応援する方針を取っています。大妻女子大、共立女子大など女子大系列の学校は、比較的早い時期から他大学進学に力を入れ、進学校の色彩が強くなっています。
このように、併設大学進学への保証がありつつ、他大学受験にもチャレンジできる選択肢の多さが、近年の附属校人気の一因です。

とはいえ、系列大学への推薦制度は学校によって大きな違いがあります。よく調べておかないと、せっかく附属校へ入っても希望の学部への推薦枠がなく、外部受験をしなければならないということになりかねません。

附属だからこそ「先の見通し」が必要

いちばん注意したいのは、「系列大学進学の保証があるから」というだけで安易に附属校を選ぶべきではないということです。
まず、この先「どんなことを学びたいか」というお子さまの意志がはっきりしていること、それに応じて、進学実績や系列大学への推薦制度について調べ、学びたい大学・学部への道が開かれているかを確認すべきでしょう。

「なんとなく」附属校に入った場合、自分が何を学びたいか真剣に考えないまま「系列大学の行ける学部」に進んでしまうケースも少なくありません。学校によっては「自分がやりたいこと」よりも、成績によって学部を決めがちな場合があるためです。
中学3年生の時点で、お子さまの意志がさほどはっきりしていないなら、むしろ進学校のほうがよいかもしれません。高校3年間の間に、「進学先を自分で考えて決める」進学校ならではの風土に身を置いたほうが、後々悔いの残らない選択ができるのではないでしょうか。

高校単独校か中高一貫校か

高校入試の場合、たとえば日大櫻丘、日大鶴ヶ丘、駒澤大、専修大附、國學院など併設中学のない高校単独の附属校に志望者が集まる傾向があります。中高一貫校は、中学で先取り学習をしていることが多いので追いつくのが大変なのでは、人間関係がすでにできあがっているのでは……、といった不安から敬遠されるケースが多いようです。

とはいえ、あえて中高一貫の附属校にチャレンジし、中学からの内部進学生がいる環境に身を置いてみるのもよいことではないかと思います。好きな本や音楽の傾向が違うなど、価値観の異なる友達と出会えるかもしれません。異なる価値観にふれ、様々な立場からものを見られるようになることが、グローバル化が進む今後の社会では、より重要になってくると考えられます。

これまで述べてきたように、近年、大学附属校の進路やカリキュラムは多様化しており、「進学先が限られてしまう」「学費が高い」といった先入観で敬遠するのはもったいないことだと思います。お子さまと志望校について話し合う際、以上述べてきたような点を押さえたうえで、ひとつの選択肢として大学附属校を検討してみてはいかがでしょうか。

プロフィール

安田理

安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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