偏差値が下位でも「実績を上げた学校」の特徴は〝面倒見のよさ〟

2018年の大学受験では、偏差値としては下位にもかかわらず、国立大学や早慶上智などの合格率が上がった学校がいくつかありました。
これらの学校は、実は新しいカリキュラムを実践している学校でもありますが、どのようにして結果に結びつけたのか、森上教育研究所がお伝えします。

少人数が確実に実績を出した文化学園杉並と佼成学園女子

平成30年の実績で、上位校ではない学校が実績を残した例として挙げておきたいのが文化学園杉並と佼成学園女子です。
文化学園杉並は、偏差値は30台半ばの学校ですが、13名という少人数制の中でICU4名、早稲田大3名、上智大1名、立教大2名、海外ではオランダユトレヒト大学への合格者を出すという驚異的な結果を残しました。
文化学園杉並の特徴は、なんといってもカナダブリティッシュコロンビア州教育省の海外校日本とディプロマ(卒業証書)が取得できるということです。学習の量が倍になるというこのダブルディプロマが確かな実績につながりました。
佼成学園女子は、SGHとして文部科学大臣賞を受賞していますが、このSGHを巣立った14名の生徒は国公立大4名、早慶上智3名、GMARCH 10名という実績を出しました。佼成学園女子も偏差値は30ほどなので、こうした結果が出たのは教育内容がよかったことが示されたことになるでしょう。

面倒見がいい学校が伸びはじめている

文化学園杉並や佼成学園女子に限らず、最近実績を上げている学校の傾向としていえるのが〝面倒見のよさ〟です。従来の難関校では、家庭学習は自宅で自分でやるべきだという考え方が浸透していましたが、こうした学校では学校改革の中で中学校1~2年生で学習習慣を身につけるために予習復習を徹底する仕組みを取り入れるようになりました。このような丁寧な取り組みが成果に結びついたといえるでしょう。

学校選び、カリキュラム・マネジメントが一つのヒントに

18歳人口の減少が始まった中で、私立大学が囲い込みのために附属校を作る流れが出てきそうです。今までの附属校は、「大学に行ける」ということに価値が置かれていましたが、最近では、親子ともども「大学に行って何が身につくか」を重要視するようになってきました。
たとえば、英語教育一つを取っても、中学校・高校・大学とまったく別の学校で別の学習をしてきたり、附属といっても教育が一貫していない学校で学んできた保護者のかたには「身につかなかった」という実感をもっているかたは少なくないでしょう。

これは、幼稚園、小学校、中学校、高校と学校側が作ったテキストを使うような継続した学びに取り組むことで身につきますが、これから先は、どの学校も特色と統一感を重要視するといえます。
教育改革ではカリキュラム・マネジメントがうたわれ、どの学校も生徒に「どんな人間に育ってほしいか」というビジョンをもち、それを実現するカリキュラムを示さなければなりません。これにより、少なくとも今までよりは学校の教育の特色がわかりやすくなることが期待できそうです。そういう意味では、はじめに触れたように、学校改革の結果から出た実績というのは時代の賜物でしょう。

プロフィール

森上展安

森上展安

森上教育研究所(1977年に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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