模試などを受けた際、時間が足りなくなって最後の問題は手つかずということがあります[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。


質問者

小4女子(性格:理論的・強気なタイプ)のお母さま


質問

計算の演習量が不足しているのか、スピードが足りないように感じます。また、模試などを受けた際も、時間が足りないせいか最後の問題は手つかずということもあります。全般的にスピードアップが必要な気がします。帰宅後に模試を見直すと、手つかずだった問題もあっさり解けることも多く、あと10分あれば……と思うことも多いです。
たとえば参考書にある例題の解き方のようなものを読めば、コツも自分なりにつかみ、実際の問題にも割とすぐに応用できるようになります。ですから、あとはなんとかスピードを上げることができればと考えているのですが、なかなか難しいです。どうすればスピードアップにつながるでしょうか。


小泉先生のアドバイス

「計算力のアップ」「解法の手順のマスター」「ペース配分をつかむ」など。

●計算力のアップ
問題を解く速さを上げていくにはいくつかのポイントがありますが、まずは「計算のスピードアップ」と「計算の工夫」でしょう。速く計算できるようになるには、やはり毎日の練習が効果的です。計算ドリルを使って、1日に15分から20分練習しましょう。それこそ歯磨きと同じ感覚で、やらないと気持ち悪いくらいに習慣付けてください。速く正確に計算できる人とそうでない人の差が付くのは、なにも模試などの試験の時だけではありません。算数の力は、解いた問題数に比例するといわれています。計算が遅ければ解く問題が少なくなりますから、たとえ同じ時間勉強していても、両者の差は確実に開いていくことになるのです。計算の遅いお子さんがいかに不利かは、このことだけでもわかります。

「計算の工夫」も計算のスピードアップに役立ちます。たとえば、(100-1)×9を計算する時に、99×9を計算するよりも900-9としたほうがより簡単に答えが出せます。複雑な計算をゴリゴリと力ずくで解いていく力も必要ですが、計算が簡単になる工夫はないかと探す姿勢も大切です。これも、計算の練習の時に養えるものでしょう。

●解法の手順のマスター
問題の解き方の手順には、どの問題にも共通した解法の手順とその単元に特徴的な手順があります。たとえば、図形問題を解く時。問題文を読んで、「さあ、どうしよう?」では手が止まってしまいます。次にすべきことは、問題文にあって、図形には書いてない条件を図形に書き入れることです。これは図形問題に共通した解法の手順ですから、考えることなく、自然に体が動くようでなければなりません。そして、すべての条件を書き入れたら、次はどこに着目するかを考えるステップになります。このような解法の手順は、問題量をこなしていくことで徐々に身に付いていきます。解法の手順を身に付けることで、「次は何をするか?」などと問題を眺めている時間がないようにすれば、それだけでもスピードアップにつながるでしょう。

●ペース配分とステ問回避
問題全体を俯瞰(ふかん)して、一つひとつの問題を何分で解けば時間内に仕上げられるかというペースをつかむことも大切です。慣れてくると、今のペースが速いのか遅いのかわかってきます。速いようであれば安心して進めます。遅いようであれば、さらに集中力を高めて問題に取り組んでいくのです。全体のペースがわかれば、一つの問題にどのくらい時間をかけるかも決まってきます。これにより、ステ問(難しくて他の生徒の正答率も低い問題)に必要以上の時間をとられることも少なくなります。ステ問に引っかかると、ご質問の中にあったように「模試を見直す」と「あっさり解ける」問題が出てくる結果になります。同じ実力の生徒でも、ステ問を回避できる子とそうでない子の点数は大きく違ってきます。

●模試の分量にも注意
以上のことを確実に実施すれば、試験場で実力を発揮できるだけのスピードを確保できるようになると思います。ただし、一つ注意すべきことは、模試の中には普通の受験生がすべての問題に手を付けることを前提としていないものがあるということです。つまり、試験問題数が試験時間に比べて明らかに多く、しかも最後のほうの問題の数問が難問という構成になっているのです。ですから、学校のテストよりも受験者の平均点が低くなるのが一般的です。このような状況を考えれば、すべての問題に手を付けるというのではなく、「時間内に1点でも多くとる」ということを目標にしたほうが現実的だと思います。



プロフィール

小泉浩明

小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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