私立高校の受験校をどう決めるか 志望の度合い、内申点で、受験パターンを決める[高校受験]
今回は、入試のさまざまなケースについてお話しましょう。
学校によってはさまざまな入試のパターンを用意している場合がありますが、話をわかりやすくするために、ここでは典型的なパターンを取り上げて説明しましょう。
入試形態 | 名称 | 出願条件 | 入学条件 |
推薦入試 | ・第一志望であること
・内申基準あり |
出願=ほぼ合格=入学 | |
一般入試 | 第一志望 | ・第一志望であること
・内申基準あり、なし |
合格したら必ず入学 |
併願優遇 | ・公立第一志望、本校第二志望であること | 公立高校に不合格なら入学 | |
オープン入試 | ・条件なし
・他の私立が第一志望でも可 |
まったくフリー |
推薦入試では、不合格者が出る場合もあります。ちょっと複雑なので、詳しい説明は次回に譲ります。併願優遇は公立併願、オープン入試は一般試験・フリー受験などといった言われ方もしています。
■その私立高校が第一志望なら、推薦入試か一般入試の第一志望で受験
推薦入試と一般入試の第一志望では何が違うのかと思われるかもしれません。第一志望なら当然推薦入試を受けるのでは、と思われるかたが多いと思います。が、提示された出願基準に達しないという受験生もいます。そうした受験生に、「一般入試を受ければ優遇しますよ」「推薦入試に不合格なら、一般入試で再チャレンジしてください」というのが第一志望という制度なのです。受かれば入学するというしばりがある分、「3教科300点満点で20点加算しますというかたちで優遇します」といった制度です。仮に、オープン入試で受けた受験生の合格最低点が170点とすると、第一志望なら150点でも合格ということです(※20点加算というのは、ある学校のケースです)。
■出願基準は内申点だけではない
出願基準というと、中学校で付けられる内申点のことばかりをお考えかと思います。私立高校の出願基準の大半は内申点(正確には調査書点)なのですが、これにプラスして加点される要素、他の条件があります。
ある私立高校の推薦入試の出願基準を例として挙げてみましょう。
・9教科5段階評価の合計が33以上、かつ1がないこと
・英語検定、漢字検定、数学検定の3級で各1点加算。準2級以上で各2点加算(最大2検定まで)
・生徒会役員、各委員会・各部活動・各クラス等校内諸活動において長期的にリーダーとしての活動が顕著であり、他の生徒の模範となった生徒は1点加算。ただし、担任(担当顧問)の証明文が添付されていること
・3年次の欠席日数が原則として6日以内であること
準2級が2つあれば、9教科5段階評価の合計が29でも出願条件に当てはまるということにお気付きのかたもいるかと思います。中3生だと今からでは難しいですが、お子さんが中1、中2ならこうした検定で3級、準2級を取得しておけば、入試においてこのように大変有利に働くのです。ぜひお子さまに話してみてください。
なぜ私立高校がこのように検定取得者を優遇しているかといえば、内申点が絶対評価になって甘くなり、当てにならなくなっているのに対し、検定を取得しているということは、少なくともコツコツ努力することができる生徒であることを証明してくれているからなのです。