私立受験では学校選択と同じくらい「コース」選択も重要 本番を控えて気をつけるポイント [高校受験]
お子さまは私立高校も受験されると思います。私立高校の場合、そもそも学校自体のレベルがそ高い場合には「コース制」を取り入れる必要はありません。お住まいの都道府県でも、難関校には「コース」はないのではないでしょうか。学校が「特進コース」的なものを設置するねらいは、一般コースとは別枠の少人数の募集をすることで、偏差値表の高いところに校名が載るようにすることにあります。そうすることで学力が高い層に受験してもらおうというわけです。
「コース制」は、もともとは大阪の女子校が始めたものですが、多くの私立高校にとって、入学時の偏差値を上げ、卒業時の大学合格実績を向上させることが生き残る道になってきているので、今では全国の高校に広がっています。したがって、当然「コース」によって入試の難しさに違いが生まれます。
下に平成25年度入試に向けた、東京のテスト会社の模試のデータを2校分載せました。
平成24年のデータを見ると、A高校では最も難しいコースと最もやさしいコースとでは偏差値で男子が9.2、女子が11.6も差があり、B高校でも男子で8.9、女子で8.7もの差があることがわかります。同一高校内でこれほど違うのですから、難易度という点では、別のコースを受験することが、他校を受験することとまったく変わらないことだとわかると思います。
また、A高校も、B高校も志望者が最も多いのは、最もやさしいコースだということに気付かれたと思います。この2校以外でもほとんどの高校でそうした傾向になります。つまり、志望者数は難易度には比例しないということです。ただ倍率は、上位コースほど定員が少なくなっていることが多いので、比例するケースが多くなっています。
どの「コース」を選択するかは、お子さまの内申点、模試での成績が判断基準ですが、次のことも考慮に入れたほうがいいと思います。それは、上位コースほど難関大学合格を第一義に考えているので、入学後に大学受験を強く意識したカリキュラムで授業が進められるということです。お子さまの普段の勉強態度からハードなカリキュラムをこなすだけの覚悟があるかどうか、また優秀な同級生たちと競い合っていくほうが伸びるタイプかどうかということも、見極めてください。
子どもによっては、上位にいたほうが自信を持てて伸びるタイプのこともあります。ですから単純に上位のコースであればあるほどいいと考えるのではなく、お子さまの性格をつかんで決められることをおすすめします。