子どもにも身近な日本企業のロジスティクスは世界トップクラス!

モノや情報の最適な流れを管理する「ロジスティクス」が専門の、流通経済大学の矢野裕児教授。「身近なモノと世の中とのつながりを知っておくことが、将来に生かされる」と話す矢野教授の研究室を訪ね、研究内容や高校時代にすべきことなど受験生に向けてのアドバイスを伺った。

 

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大学でロジスティクスを学問として扱うようになったのはごく最近です。学べる大学数も少なく、世間ではあまり重要だと思われていません。ロジスティクスは、私たちの生活のあらゆる場面で、いろいろな形で生かされています。これを学べば、さまざまな職場で社会のしくみを支えたり、より便利で快適なしくみをつくったりするのに役立てることができます。

 

中国では、ロジスティクスが国家戦略とされ、専門的に学ぶ学生数は5万人以上といわれています。日本はまだ1,000人くらいですから、大きな差があります。一方、日本企業のロジスティクスは、世界トップクラスです。中国の大学では、ロジスティクスを学ぶのに日本や欧米の書物を翻訳して使いますが、学びには限界があります。日本の学生は、子どものころから気付かぬうちに、ロジスティクスの成果を感じながら生活しています。さらに、大学では企業を訪問して知識を深められます。これは大きなメリットです。

 

高校時代にやっておくといいのは、自分に身近なモノがどうやって手元に届くのかを調べてみることです。好きな食べ物、服、テレビ、趣味のグッズなど、何でもかまいません。どの国のどんな材料が使われ、どんな製品になり、どうやって運ばれるのかを調べてみてください。

 

これは、ロジスティクスを学ぶ場合に限ったことではありません。学問は、社会とつながってこそ役に立ちます。高校時代までに身近なモノと社会とのつながりを知っておけば、大学でも自分の研究と社会とのつながりを意識できるでしょう。その経験は、将来、社会に出た時にも役立つことが期待できるのです。

 

出典:流通経済大学 流通情報学部 流通情報学科 身近なモノと世の中とのつながりを知っておくことが大学での学びにも社会人になってからも活かされる -ベネッセ教育情報サイト

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