調査書点(内申点)が受験校選びのひとつのめやす 「三者面談」を控えて考えておきたいこと[高校受験]
お子さまが通う中学校が2期制をとっていれば、10月の第1週に前期の成績を受け取っているでしょう。3期制なら1学期の通知表を見てください。
公立高校の場合は、どの都道府県でも入試の合否判定には、試験当日の学力検査の成績とともに、調査書の成績が使われます。
2013年度入試から、これまで「前期選抜」「後期選抜」と2回の受験機会があった入試が「共通選抜」1回に変更される神奈川県を例に、説明してみましょう。
神奈川の公立高校の合否判定は、2013年度から、
調査書・学力検査・面接の項目を100点満点に換算した後、項目ごとに各校が2倍から
6倍の、合計点1000点満点で合計数値を算出することになりました。各項目の倍率は各校
で異なります。
●神奈川県きっての進学校である湘南高校の場合は、
調査書3割・学力検査5割・面接2割
という割合にしましたから、調査書が300点・学力検査が500点・面接が200点
の1000点満点になります。これに湘南高校の場合は「特色検査」も実施しますので、
この満点100点が加わります。
●湘南高校と肩を並べる存在である横浜翠嵐高校の場合は、
調査書2割・学力検査6割・面接2割
という割合にしましたから、調査書が200点・学力検査が600点・面接が200点
の1000点満点になります。横浜翠嵐高校も「特色検査」を実施し、同校の場合は満点を200点としています。
最難関校でもこのように調査書の比重、「特色検査」の満点が異なっています。
●その他の高校でも、調査書2割が横浜翠嵐高校含め3校、調査書3割が湘南含め29校、
調査書4割が最も校数が多く49校、調査書5割が17校、調査書6割が4校と
バラバラです(校数は普通科高校の校数)。
○「特色検査」(「自己表現検査」といって、与えられた課題について制限時間内
で自分の考えをまとめ表現するものが多い。小論文形式やスピーチ、グループ討論
など形式はさまざま)を実施する学校は18校のみ。
*このほか英語・数学・国語など特定の教科を、調査書点ないし学力検査点で2倍す
るなど重点化する学校もあり、合否判定において重視される要素は学校ごとに
実にさまざまです。
他にも、面接での評価の観点も学校ごとにバラバラであるなど、保護者の時代には一律が原則であった公立高校の合否判定が、今では学校ごとにこれほどまでに違うのです。
例は神奈川県ですが、お住まいの都道府県でもこうした動向にあると思います。ですから、お子さまの学力特性はどんな傾向なのか、まずはそれをつかんでください。
A内申(中学校の成績)はいいが、模試ではあまり得点できない(偏差値が低い)
B内申はよくないが、模試では高得点が取れる(実力はある)
C基礎・基本問題はよくできるが、神奈川県でいう「特色検査」や学校独自問題など
応用力を必要とされる問題は苦手
D英語など、ずば抜けた得意教科がある
といった、お子さまの学力特性を書き出し、それが有利に働く学校はどこか、それを探すことも受験校を決める際のポイントのひとつです。