私立と公立、どう違う? (校風)[中学受験]

私立中高一貫校と公立中高一貫校の校風はどのように違うか? 私立中高一貫校の校風は、思い浮かべてみるとさまざまで、変化に富んでいる。私立ということもあって、独自性をアピールしなければ生徒が集まらないので、結果として特徴的な学校が多くなるのだろう。しかし、公立中高一貫校の校風がどこも同じということもなく、公立中高一貫校の間においても私立のように特徴のある学校が多い。校風の違いは、何を基準にするかで結果が異なり、私立中高一貫校と公立中高一貫校の違いを論ずるためには、同じ分類の学校を比較しなければ意味がない。

そこで東京都の公立中高一貫校に限定し、比較できる私立中高一貫校を見つけ、違いを分析することにした。東京都の公立中高一貫校は11校あるが、すべて共学、進学校(大学の付属校ではない)、首都圏模試の偏差値で平均が57.9(偏差値の範囲は54~63.5)であった。東京都の私立中高一貫校で共学、進学校、首都圏模試の偏差値で58前後の学校を探したところ、10校を探すことができた。

面倒見重視または自主性重視か?は、学校案内や学校のHPを読めばおおよそのことがわかる。主観的ではあるが<表>にまとめてみた。
公立は、面倒見重視の学校は1校と少なく、自主性重視の学校が3校あった。最近は、入試難易度ランクが高いほど、面倒見重視と自主性重視を兼ね備えた中間の校風の学校が増えているが、公立校でも3校あった。また、面倒見重視と自主性重視のどちらも打ち出していないため不明とした学校が4校と多い。私立も同様に調査して、両者を比較すると、公立は自主性重視の学校が多く、私立は面倒見重視の学校が多いことが言える。

伝統的または革新的な校風か?を客観的なデータの「制服」と「学期制」で調べて<表>にまとめた。
制服は「学生服やセーラー服」を採用している学校を伝統的な学校とした。「ブレザー」を採用している学校を革新的としたが、男子は学生服で女子はブレザーという学校もあったので、男子と女子を合算して集計した。その結果を見ると「学生服やセーラー服」は公立・私立とも約3分の1の学校が採用しており、ほとんど差はなかった。また、公立・私立とも「ブレザー」を採用している学校が多く、もはや革新的とは言えない。
学期制については、明らかに2学期制は全体としても少なく、その中で、公立が2学期制を導入している学校が多いことがわかる。この公私対照的な違いは週5日制の学校が公立に多いこともあろう。公立中高一貫校になった都立高校は伝統校が多く、伝統を重視する学校が多いと思ったが、革新的な要素も積極的に導入しているようだ。むしろ私立は学期制においては伝統的な3学期制の学校がほとんどだ。このようにいろいろな角度で見ることにより、公立中高一貫校と私立中高一貫校の違いがわかる。

上記はあくまでも分析方法のひとつであるが、東京都の公立中高一貫校11校でも学校ごとに校風は異なるので、学校見学に参加して実際に校風を感じてみよう。


【公立中高一貫校と私立中高一貫校の校風】



プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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