公立中高一貫校の受検を考えており、どんな勉強をしていけばよいのか思案中です[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。




質問者

小4男子(性格:理論的なタイプ)のお母さま


質問

学校の算数の勉強は、正直なところ簡単すぎてつまらないらしく、家庭では5年生用の問題集や数検の問題集を勉強しています。数検はこの春7級を個人受検する予定ですが、このままどんどん進めても良いのでしょうか。できるなら公立中高一貫校の受検を考えており、これからどんな勉強をしていけばよいのか思案中です。本人は理科系が得意なので、小石川中等教育学校にあこがれています。


小泉先生のアドバイス

公立中高一貫校用の参考書や問題集で学習する。あるいは、私立中学受験対策を行うことで、私立校と公立校を併願する方法もある。

小石川中等教育学校もそうですが、「題材を与えてその場で考えさせる」というのが公立中高一貫校の目指す入試問題です。そこでは、≪知識の量≫よりも≪考える力≫を求めます。たとえば2012(平成24)年の適正検査IIでは、日本の年齢別人口構成の表を与えてその割合を百分率で求めさせ、そのグラフを作らせました。そして、さらにそのグラフの特徴を答えさせる問題が出題されました。これらの問題に答えるためには、割合の計算や表の読み方などの基本的な知識のほかに、グラフを作るという「手作業」やそのグラフの特徴を読み取るという「思考力」が必要です。私立中学入試でも「知識」「手作業」「思考力」が必要ですが、公立中高一貫校のほうが「知識」よりも「手作業」や「思考力」が重視される試験であると言えます。

さて、このように「知識」をあまり必要としない試験となると、出題される問題の種類はかなり限られてきます。たとえば適正検査IIIでは、算数分野の平面図形や立体図形に関わる問題が頻出です。2007(平成19)年の「魔方陣」(正方形の方陣に数字を配置し、縦・横・斜めのいずれの列についても、その列の数字の合計が同じになるもの)などが良い例でしょう。
まず、図を示して、魔方陣とはどんなものなのかをその場で説明します。次に、魔方陣の基本的な性質を解明させます。そして、さらに複雑なものを出題して受験生の思考力を試すことになるのです。

なぜ、魔方陣のような問題が出題されるのでしょうか。それは、このような問題であれば、魔方陣というものを知らない生徒でも、その内容を試験場で簡単に説明できるからです。つまり、そのものに対する知識があってもなくても、公平に思考力を試せる問題が公立中高一貫校にとっては良い問題と言えるのです。

さて、公立中高一貫校に必要な学力をつけるには、何をどのように勉強すればよいのでしょうか。「考える力」は、学校や家庭での学習と日頃からいろいろなものに興味を持つことで培われていくものですが、やはり訓練も必要です。入試問題という形式を繰り返し演習することで、解き方に慣れてきて、より速く正確に正解を出せるようになります。教材としては、公立中高一貫校用の参考書や問題集で学習するのもよいでしょう。あるいは、私立中学受験用の教材を使う方法もありますが、公立中高一貫校のみの受検であれば知識偏重な問題や難度が高すぎる問題は省く必要があります。さらに、私立中学受験対策を行うことで、私立校と公立中高一貫校を併願する方法もあると思います。

最後に、「学校の算数の勉強は、正直なところ簡単すぎてつまらない」とありましたが、学校の教科書や授業をおろそかにするのはもったいないでしょう。なぜなら、「手作業」や「考える力」はたとえば理科の実験などの授業を通じても得られるからです。「塾や家庭で勉強しているから大丈夫」と考えずに、さまざまな場面で考える力を伸ばしていってください。



プロフィール

小泉浩明

小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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