過ぎたことは振り返らず、次に向けて前を向く 受験、こんな時はどうする?[高校受験]


過ぎたことは振り返らず、次に向けて前を向く 受験、こんな時はどうする?[高校受験]

■前を向くことだけを考える

 掲示板の他にインターネットを利用して合格発表する学校が増えて、合否を家のパソコンで確認する保護者のかたが多くなっています。ほかのお子さんの様子が目に入りませんから、不合格だと我が子だけが落ちているような錯覚に陥ります。
 学校の掲示板での合格発表ですと、受かって喜んでいる親子はもちろんですが、落ちて肩を落としている親子の姿もなんとなく視野に入っているものです。ですから、我が子だけがという気持ちにはならないのですが、家で画面を見ていると、どうしてもショックが増幅されます。
 考えてもいなかった不合格だと、親もショックが大きいでしょう。ですが、本人の前では決して落胆、動揺を言葉・表情に出さないこと。親が不安がっていることを知ると、子どもも自信をなくします。子どもの気持ちを沈ませないためには慰めの言葉もいりません。
 後ろ向きになるのでなく、保護者自身も次の試験に向けて前を向くことだけを考えましょう。倒した「ハードル」のことは忘れて、前を向いて走る--これがこの時期の鉄則です。



■慌てず冷静に対処

 ここからは、親も子も平常心でひたすら計画どおり着実に受験スケジュールをこなしていくことが大切です。
 お子さまが不合格だった理由は何でしょうか? 最初から無理な挑戦だったのか? 塾からも確実と言われていたのにダメだったのか? それによってこれから打つ手が異なります。
 前者の場合に、この学校のみが挑戦校で、これからの受験スケジュールに確実な学校が入っていればその準備をひたすらしっかり進めることです。受験校がお子さまの実力からして適正ならば、次は受かるはずです。
 後者の場合は、実力を発揮できなかったことに原因があるのですから、自信を取り戻させること、落ち着いて取り組めるよう精神的フォローをすることのほうが大切です。
 この時期、親が慌てて右往左往して家の中が落ち着かなくなると、本人も集中力をなくしますので、気を付けてください。
 ここへきて受験校を変更することは無謀です。これまで「過去問」を解くなどして対策を立ててきた学校はそのまま受けましょう。少々偏差値の低い学校に変更したところで、対策をしてきた学校のほうがやはり受かりやすいからです。
 どうしても不安だったら、二次募集・追加募集する学校の中からやさしめの学校を選び、出願しておく手があります。
 これからの受験予定校が、不合格になった学校以上に可能性が低いのであれば、受験校の見直しが必要です。すぐに塾の先生と相談してください。ただし、まったく知らない学校、過去問を一度も解いたことがない学校はできれば避けたいところです。これまでに説明会に足を運んだことがある学校の中から選びましょう。
 出願書類が手元になければ、受験料・写真・印鑑・筆記用具を持って学校に駆けつけます。その場で記入して出願することも可能です。
 こうした状態になるとどこにも受からないのではという不安から、この学校も受ける、あの学校も受けておきたいとたくさんの学校を受けたくなります。でも、受験は「数撃てば当たる」ものではありません。絞って、その分対策をしっかり立ててこそ合格をつかめるのです。
 親が落ち着いていないと、本人も浮き足立ちます。具体的に打てる手を冷静に打っていきましょう。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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