夏期にすべきこと‐弱点補強と応用力の強化[中学受験]

 いよいよ6年生の夏休みが始まる。ひたすら勉強出来る時間がある40日間は、ライバルに差を付けられるチャンスでもあり、逆に水をあけられる可能性もある。「夏期に何をすべきか」を十分自覚し、充実した時間を過ごしたいものである。

 「夏期にすべきこと」は何かと言えば、(1)弱点補強と(2)応用力の強化であろう。そして「弱点補強」はさらに、(1)-1 未習分野の習得と(1)-2 弱点分野の補強に分かれる。

 ここでの未習分野が、一学期終了までに塾で学習出来なかった分野を意味する場合は特に問題は無い。夏期講習内の授業で、それらの分野を学習するであろう。問題は、お子さまだけが未習の場合である。例えば塾を途中で変わったために、重要な分野がスッポリ抜けていることがある。こういうときは、塾に相談して特別に補講をお願いするか、個別指導や家庭教師にお世話になる必要がある。未習分野があることを知らずに過ごし、試験間際になって気が付くということが無いように、「塾を変わった経験がある方」や「かなり遅く塾に入った方」は、一回塾に相談してみると良い。

 弱点分野の補強についても同じようなことが言える。つまり弱点分野が他の生徒と同じ場合は塾の授業で補強してくれる可能性があるが、お子さまだけの特有の弱点分野がある場合は個々に対処する必要がある。これらの分野の見つけ方は、前にも述べたように、模擬試験の「教科別正答率一覧表」を使えば良い。つまり正答率がかなり高い設問を、お子さまが常に間違えていて、しかも特定の分野に集中していればそこが「お子さまだけの特有の弱点分野」である。なお個別指導や家庭教師により強化するなら、8月中旬の塾の休講期間が良いだろう。

 「応用力の強化」とは基本問題や標準問題だけでなく応用問題も解けるように演習していくことであるが、この他に「ランダム問題」が解けるようになることも必要である。「ランダム問題」とは単元ごとではなく、通常の入試のようにバラバラに出題される問題群のことであるが、単元がわからなくて最初はなかなか解けない。十分な演習が必要である。

プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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