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再生可能
エネルギーとは?
【SDGs】が目指す
持続可能な
社会の
主力となる
クリーンエネルギー

地球温暖化によって海面は上昇し続け、陸や海の生態系の破壊が進み、今までにない豪雨や干ばつなどの災害が多発しています。こうした中、地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出量を減らすことが各国共通の課題となっています。

そこで、今、世界中で注目されているのが、「資源をくり返し使える」「二酸化炭素を排出しない」再生可能エネルギーです。

SDGs(持続可能な開発目標)でも、地球温暖化対策とエネルギー問題を解決できる重要な対策の一つとして取り上げられている、再生可能エネルギーについて解説します。

再生可能
エネルギーとは?
その定義や
種類について解説

再生可能エネルギーとは? その定義や種類について解説 再生可能エネルギーとは? その定義や種類について解説

■再生可能エネルギーとは?

再生可能エネルギーとは、太陽光や地熱、風や水などのように、自然界に存在する環境や資源を利用するエネルギーのことを言います。

石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料は使い続けると、いずれ底をついてしまいます。それに対し、くり返し使えて枯渇しないことから「再生できる」エネルギーという意味で、再生可能エネルギーと呼ばれています。

■再生可能エネルギーの大きな特徴は2つ

再生可能エネルギーの大きな特徴は2つ挙げられます。

1つ目は、エネルギー資源が枯渇しないことです。自然の中にあるエネルギーを利用するので、化石燃料のようになくなりません。今後、エネルギーとして使える化石燃料の埋蔵量を調べてみると、石炭はおよそ100年、石油や天然ガスはおよそ50年で枯渇してしまうと言われています。その点、再生可能エネルギーは半永久的に使い続けることができるのです。

2つ目は、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを排出しないことです。化石燃料は、燃やすと大量の二酸化炭素が排出されてしまいます。再生可能エネルギーは、二酸化炭素を排出しないで電力を生み出すことができるのです。

たとえば、原子力発電も二酸化炭素を排出せずに発電できますが、エネルギー減であるウランは有限で使い続ければ枯渇してしまいます。そのため、原子力発電は再生可能エネルギーには分類されません。また、原子力発電によって生まれる放射性廃棄物の処理や、一度事故が生じたときにどんな被害が起こるか予測しきれないことなども課題となっています。

「エネルギー資源が枯渇しないこと」「温室効果ガスを排出しないこと」。この2つの特徴から、再生可能エネルギーは、地球温暖化をくい止める対策の一つになるとして、世界中で開発が進められているのです。

■さまざまな再生可能エネルギーによる発電方法

再生可能エネルギーによる発電方法には、さまざまなものがあります。

  • 太陽光発電

    太陽光発電は半導体に光があたると電気が発生する現象を利用して、太陽光から電力を生み出す方法です。板状の半導体を太陽電池といい、太陽電池をいくつもつなげたものが、ソーラーパネルと呼ばれています。日差しがあれば発電できるので場所を選ばないこと、大規模な建造物を必要としないことなどから、誰も使っていない土地や屋根などを活用できるのが利点です。

    広い土地にたくさんのソーラーパネルを設置して発電する「メガソーラー」と呼ばれる施設から、商業施設の屋根に設置されたもの・住宅用のソーラーパネル・スマホを充電できる小型のものなど、さまざまなタイプの太陽光発電が登場しています。

  • 水力発電

    高い位置から低い位置に水を流し、水が流れる力を使う発電方法です。水の流れるところに水車を設置し、水車の回転によって発電機を動かして、電力を生み出します。山地が多く起伏のある土地があり、水資源も豊富な日本に向いている発電方法と言えます。

  • 風力発電

    巨大な風車が風を受けて回転する力を利用して発電する方法です。上空ほど風が強くなるので、風車の高さは100mを超えるものもあります。さらに風が強く大規模な発電が可能な海上での風力発電も、開発が進んでいます。一定の風速があれば昼夜問わず発電できますが、風が弱いときや台風など風が強すぎるときは発電できません。一日に一定量を発電するという意味ではやや安定性に欠けるのが欠点です。

  • 地熱発電

    地熱発電は地中から取り出した蒸気で直接タービンを回して、電力を生み出す方法です。日本には火山や温泉がある、いわゆる地熱地帯と呼ばれる地域が数多くあり、こうした場所の近くで地球内部のマグマの熱を利用して発電します。天候の影響を受けにくく、昼夜問わず安定して発電できることが大きなメリットです。

  • バイオマス発電

    バイオマスとは動植物から作り出される生物資源の総称です。バイオマス発電はこの生物資源を直接燃やしたり、いったんガス化してから燃やしたりして、タービンを回し、発電機を動かします。日本では間伐材や可燃ごみ、家畜の汚物などを生物資源として活用しています。植物はくり返し栽培できるため再生可能であり、廃棄物を再利用することにもあたるので、再生可能エネルギーとして位置づけられているのです。

エネルギー問題と
地球温暖化に
まつわる世界の動き

■SDGsが掲げるエネルギー問題と地球温暖化対策

資源の枯渇や地球温暖化に対する危機感の高まりから、世界では、地球温暖化対策やエネルギー問題が議論され続けてきました。

2015年に国連で採択された、持続可能な社会を目指す世界共通の目標であるSDGsでも「目標7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と「目標13.気候変動に具体的な対策を」の2つの目標として、大きく取り上げられています。

この中で、くり返し使えて二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーは、持続可能な社会と開発の実現に役立つ、クリーンなエネルギーとして大きな期待が寄せられています。

すでに世界各国で化石燃料に替わるエネルギーとして、再生可能エネルギーの開発が進められています。緊急の具体的な地球温暖化対策を求めるSDGsで大きく取り上げられたことは、再生可能エネルギーのさらなる普及を進めるきっかけになっているといえるでしょう。

■現代社会のエネルギー問題の課題がコロナショックで浮き彫りに

新型コロナウイルスの感染拡大による、ロックダウンや外出自粛により、温室効果ガスの排出量が激減しているというデータが相次いで発表されています。中国やヨーロッパでは、2020年の二酸化炭素排出量がおよそ25%も減少する見込みだそうです。さらに、需要が落ち込んだことなどから、原油価格も下落しています。

世界中が地球温暖化の対策に取り組む中、コロナショックによって二酸化炭素排出量が激減したことで、皮肉にも、私たちの暮らしや経済活動がいかに化石燃料に頼っていたかが見えてきました。

しかし、この状況は、地球温暖化対策が成功したと言えるものではありません。実際、アメリカで2008年に起きたリーマンショックによる大不況でも、二酸化炭素の排出量が一時減ったものの、経済の回復とともに元の水準に戻りました。しかも、その後、温室効果ガスの排出量は年々増え続けているのです。

コロナショックが収束に向かえば、経済活動の再開とともに二酸化炭素の排出量が増え、リバウンドのように激増する可能性もあります。思いがけず、人間の活動と温室効果ガスとの関連が明確になった今、さらに危機感を持って、地球温暖化対策に力を入れていかなければいけません。

再生可能エネルギーが
抱える
今後の課題とは

再生可能エネルギーが抱える今後の課題とは 再生可能エネルギーが抱える今後の課題とは

日本では現在、発電に使うエネルギー資源をほぼ海外からの輸入に頼っている状態です。将来にわたって安定して電力供給できる仕組みを作るため、再生可能エネルギーの開発と普及に力を入れています。

■再生可能エネルギーの普及のための制度

日本では再生可能エネルギーの普及を目的として、2012年7月に「固定価格買取制度」という仕組みが始められました。

「固定価格買取制度」とは、再生可能エネルギーによって発電された電力を、電力会社が一定の期間中は固定された価格で買い取る仕組みのことを指します。

日本では「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」という法律によって、再生可能エネルギーによって発電された電力を、一定期間固定された価格で買い取ることが、電力会社に義務付けられています。

この固定価格は、再生可能エネルギーではない方法で発電された電力の買取価格よりも高く設定されています。さらに、一定期間価格が変動しないため、安定した収益が見込めることから、再生可能エネルギーによる発電事業を始める企業が増えていて、再生可能エネルギーの普及に役立っています。

また、この制度では、工場や家庭などに設置された太陽光発電ができるソーラーパネルなどで作られた電力のうち、自社や自宅で使って余った分も電力会社に買い取ってもらうことができます。このため、屋根にソーラーパネルを設置する家庭や施設が増え、再生可能エネルギーについて多くの人が知るきっかけともなっています。

■再生可能エネルギーを広めるための今後の課題

一方で、再生可能エネルギーの普及には課題も残っています。

課題の一つは、導入するときに膨大な費用がかかってしまうことです。比較的新しい技術であるため、従来のエネルギーと比べると、施設・設備・土地の購入代などに高額な費用がかかってしまい、電気料金も割高になってしまいます。

また、自然のエネルギーを利用するため、時間帯や天候によって発電量が不安定になってしまうことも課題の一つです。そこで、それぞれの発電方法を組み合わせて安定供給をはかる計画が立てられています。

この組み合わせを割合で示したものをエネルギーミックス(電源構成)といいます。経済産業省の資源エネルギー庁によると「2030年には火力発電の比率を下げ、再生可能エネルギーの割合を原子力発電の割合と同等かそれ以上になる22%~24%に引き上げる」としています。さらに2050年には、再生可能エネルギーを主力とする考えが示されているのです。

再生可能エネルギーは、資源の乏しい日本でエネルギーの自給率を高めることも期待されています。そのため開発が続けられていて、新しい技術が続々と登場しています。将来的には、再生可能エネルギーが私たちの暮らしを支える主要なエネルギーとなることは間違いありません。

たとえば、あなたは自分の家で使っている電気がどの発電所から送られてきているのか、知っていますか? その発電所は再生可能エネルギーによる発電方法でしょうか? もし可能なら、水力発電のダムや、風力発電の風車、メガソーラーなどを見てみませんか? そのスケールの大きさにきっと驚くはずです。

ふだん当たり前のように使っている電気が、どのように作られているのか調べてみることは、エネルギーと地球温暖化の問題について考える第一歩になるはずです。

【この記事に関連する目標】

※他の目標とも関連していますが代表的なものをあげています。

[参照元]

世界のエネルギー事情|エネルギーの現状 |エネルギー|事業概要|関西電力

https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nowenergy/world_energy.html

太陽光発電のしくみ | みるみるわかるEnergy | SBエナジー

https://www.sbenergy.jp/study/illust/solar/

水力発電のしくみ | みるみるわかるEnergy | SBエナジー

https://www.sbenergy.jp/study/illust/water/

風力発電のしくみ | みるみるわかるEnergy | SBエナジー

https://www.sbenergy.jp/study/illust/wind/

【わかりやすく解説】再生可能エネルギーとは?メリットや種類、必要性 | スマートテック

http://www.smart-tech.co.jp/column/power-saving/renewable-energy/

バイオマス発電|再エネとは|なっとく!再生可能エネルギー

https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/biomass/index.html

バイオマス発電のしくみ | みるみるわかるEnergy | SBエナジー

https://www.sbenergy.jp/study/illust/biomass/

新型コロナウイルスの影響で、温室効果ガスの排出量が世界的に激減している | WIRED.jp

https://wired.jp/2020/03/26/coronavirus-emissions/

欧州ロックダウンで温室効果ガス25%減少へ、最新調査|We Believe|公益社団法人日本青年会議所

https://webelieve.jp/articles/detail/503

新型コロナ危機、世界中で石油のサプライチェーンに影響へ=IEA |ロイター

https://jp.reuters.com/article/global-oil-iea-idJPKBN21K0FG

再生可能エネルギー固定価格買取制度について - 再生可能エネルギーへの取り組み | 電気事業連合会

https://www.fepc.or.jp/environment/new_energy/kaitori/index.html

再生可能エネルギーとは?企業の導入事例とこれからの課題 | 楽エネ(太陽光発電・蓄電池・ソーラーパネル専門商社)

https://rakuene-shop.jp/columns/2471/

新しくなった「エネルギー基本計画」、2050年に向けたエネルギー政策とは?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energykihonkeikaku.html