かけ算(九九)の覚え方
苦手な子必見!
暗記だけじゃない勉強法とは

2023.9.13

小学2年生以降の学習で非常に重要となる「九九」。ただ、ニガテ意識をもってしまうお子さまが多い単元ではあります。

九九を覚えるには暗記から始めなくて大丈夫!
まずは「かけ算とは何か?」を知るのが最も近道なのです。

今回はそんなかけ算の理解のしかたから、苦手意識があっても楽しく定着させるコツまでご紹介します。

step1

まずはかけ算を理解する

かけ算でいちばん初めに学ぶべきことは、「九九の暗唱」ではなく、「かけ算の意味」を知ること。かけ算とは、「1つあたりの数」×「いくつ分」=「全体の数」という考え方です。説明だけでは想像しにくいと思いますので、可能であれば、アメや1円玉などを使って説明してみましょう。
たとえば、3×2=6というかけ算を覚えるために、3つのアメのかたまりを2つ作り、合計が6になることを説明する、といったやり方です。

かけ算の「九九」をの式と答えだけを丸暗記してしまうと、一見ラクそうに思えるかもしれません。
しかし概念が理解できてないのでわり算などへのその後の応用、知識の積み重ねがしづらくなってしまうのです。
これから習う算数での実力をグっと伸ばすためにも、かけ算のしくみ、概念をまずは理解がオススメです。

「に、し、ろ、は」の読み方を知る!
九九では普段使わない数字の
言い回しにも注意

九九では「2,4,6,8…」の読み方が、「に、し、ろ、は」になることを理解し、使い慣れていくことが大切です。さらに、3の段の「さざんが(3×3)」や「さぶろく(3×6)」、8の段の「はっぱ(8×8)」などの普段使わない数字の言い回しについても慣れておきましょう。

覚えやすい段から取りかかる

九九はかならずしも1から9の段まで順を追って覚えていく必要はありません。比較的わかりやすい段から考えてみましょう。次の図のように、「7の段」「8の段」など、特定の段は間違いが多い傾向がみられます。

出典:九九、最難は7の段!? 8の段・9の段・6の段も時間がかかる!

step2

かけ算を楽しく親子で覚えるコツ

子どもたちにとって、はじめて算数での「暗記」を経験するのがかけ算です。暗記の方法は様々ありますが、お子さまの覚えやすい方法を一緒に見つけてあげることが重要です。

声に出して九九を言ってみる

最初は、わからなければすぐに表を見てもかまいません。九九を声に出して読むと、目からだけでなく耳からも頭に入ってきて、数字を覚えやすくなります。見ないで言えるようになるまでくり返しましょう。

「音」と「リズム」で覚える

「暗記」という行為に慣れていない小学2年生にはコツが必要です。多くの子どもたちが幼児期に触れてきた「音」や「リズム」を使って九九を覚えるのは有効的な方法です。過去にベネッセ教育情報が取ったアンケートでは、九九の歌を活用したという保護者のかたもいました。

カードゲームで
一緒に遊びながら楽しく覚える

ランダムに九九に触れることができるカードゲームは、楽しく覚えながら九九を定着させるのに適した方法の1つです。具体的なカードゲームの作成方法は下記のリンク先で紹介していますので、是非参考にしてみてください。

普段の生活から、
「かけ算・九九」に触れる

かけ算や九九の学習は「こまめに復習をくり返すことが大切」です。日常生活の中で、かけ算に触れることを心がけてみましょう。

会話の例:
「3個入ったクッキーの袋を4人分用意したいとき、クッキーは何個あったらいいかな?」

step3

子どもたちがかけ算で
つまずきやすいポイント

音が似ている段は間違えやすい!
特に「7の段」「8の段」は
要注意

7(しち)と8(はち)の音が似ているため、混同してしまうことがあります。例えば、8×4=32は8(はち)を7(しち)と混同して28という誤答をしてしまうケースが見られます。また、7(しち)と4(し)を混同するケースもあるようです。音で混乱しやすい段は、はっきり大きな声で覚えるように心がけましょう。

大きい数も混乱しがち。「6の段」
以上は時間をかけて覚える

かけ算を習い始める2年生は、まだ「数」という概念に慣れていない時期です。数が大きくなればなるほど混乱してしまうお子さまも少なくありません。覚えにくい6・7・8の段はくり返し唱えて、時間をかけて覚えていくことが大切です。

まとめ

九九の学習のポイントは

  • かけ算の意味を理解すること
  • 様々な覚え方を有効活用すること。
  • 覚えにくい段はくり返し練習をすること

が大切です。

九九はこれからの小学校での学習だけでなく、その先の中学校以降でも必要です。

ちょっと苦手かな?と思っても、がむしゃらに覚えようとがんばりすぎなくて、大丈夫。着実に概念から覚えて、だんだんなれていくことで、気づけば力がついていきますよ。

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執筆者

ふるたち


株式会社プランディット 数学課

編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの算数・数学の教材編集を担当。
株式会社プランディット
1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで、教材編集と著作権権利処理を担う。特に教材編集では、幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。