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総合監修:二瓶 健次 先生
各専門分野の先生の紹介
下痢・嘔吐(おうと)
基礎知識/小さな子どもの胃腸はとても敏感
小さな子どもはまだ胃も小さく、胃腸の働きも未熟なため、ちょっとした食べすぎや疲れからも下痢や嘔吐を起こします。また、心理的な緊張などから胃腸の働きが乱れることもありますが、一時的なものであれば心配はいりません。しかし、ひと口に「下痢・嘔吐」と言っても、食中毒や感染性下痢症などでは深刻な場合もありますので楽観はできません。便や嘔吐の様子(回数、強さなど)など、注意すべきポイントを知り、適切に対処できるようにしましょう。
受診の目安/脱水症や特徴的な症状がないか
水のような下痢・白色をした下痢、血便、激しい嘔吐がある場合、最も心配なのは脱水症です。ぐったりしていたり水分を飲んでもすぐに吐く、顔色が悪い、唇が渇いている、汗や尿が出なくなったときなどはかなりの脱水があると考えられますので緊急で受診してください。(水のような下痢が続く、血が混ざったり白色の便が出る、水分を飲むたびに吐く、食欲がない、発熱がある など特徴的な症状がある場合も受診しましょう。)嘔吐が1、2回あった、便がやわらかい(軟便)、便の回数が多い程度で、元気に活動できていれば様子を見てもいいで しょう。ただし何日も改善が見られなければ受診を。
ホームケア/消化のよいものを与え、かぶれに注意を
食事よりも水分補給を大切に。ただし吐いた直後は水分も受け付けません。30分ほど時間をおいてイオン水、湯冷ましなど少量ずつ与え始めましょう。症状がひどいときは、水分の種類や食事(ミルク)の与え方なども医師に確認するといいでしょう。それほど深刻でない場合や回復期は消化のいいものを与え、かたいものや繊維の多いもの、あぶら分の多いもの、甘すぎるもの、冷たいものは避けましょう。また、下痢は特にかぶれやすいので、まめにきれいにしてあげてください。おしりの皮膚が荒れているときは、シャワーで洗い流してあげるといいでしょう。
二瓶 健次 先生