二瓶 健次 先生

総合監修:二瓶 健次 先生

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ウィルス

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冬本番。インフルエンザとノロウイルス情報をチェック!

インフルエンザは早めの受診を心がけましょう。

風邪かな?子どもに感染しないよう、早めに受診しないと…  インフルエンザは、おうちのかたの予防や治療が大切です。症状があるのに軽い風邪と思って油断していたため、子どもに感染し重症化してしまうこともあります。インフルエンザが流行している時期に、とくに家族や園、学校でインフルエンザの人がいるとき、急に高熱がでて元気がないような場合は、すぐに受診しましょう。

冬はノロウイルスにも注意して

食品は85度以上で、1分以上加熱!  ノロウイルスは特に11月〜3月に多く流行する食中毒で、ここ数年増加傾向にあります。原因としては二枚貝が有名ですが、近年は二枚貝を食べていないケースでの発症も増えています。少しの量でも感染するので、ノロウイルスをもった食べ物をさわった手についた、ごく微量Fのウイルスが別の食品にうつったり、人の手から手への感染、器具を介しても感染し発症することがあります。ただし、食品中のウイルスは85度以上の加熱を1分以上行うことで感染性を失います。

 ノロウイルスが口に入ってから症状が出るまでは、1〜2日かかります。主な症状は、嘔吐(おうと)、下痢、腹痛、発熱など。健康な大人なら比較的軽い症状で済むことが多いのですが、小さな子どもやお年寄りでは重症化する心配がありますので十分な注意が必要です。ノロウイルスには有効な治療薬がありませんので、治療は対症療法となります。最も心配なのは嘔吐や下痢による脱水症状ですが、食中毒の場合、下痢止めは回復を遅らせてしまうので自己判断での使用は厳禁。必ず医療機関を受診して指示を仰ぎましょう。

オムツの処理は慎重に。予防法の再確認も

症状がなくなっても便にはウィルスが残っています。廃棄方法については、お住まいの自治体のルールに従ってください。  ノロウイルスの症状は通常1〜2日で治まりますが、症状がなくなっても便には1週間から長いと1カ月程度ウイルスが残ります。子どもの便や吐いたものを処理するおうちのかたに感染し、そのおうちのかたの調理した食品から家族に感染が広がることもあるので、調理や食事前の手洗いは徹底してください。汚物の処理にも注意が必要。紙オムツはすぐにビニール袋に入れて口をかたく閉じて分別し、床など汚れた場所はぬれぞうきんで十分ふき(この場合、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを使用が有効:使用上の注意をよく読んで使用してください)、処理した人は石鹸(せっけん)と流水でしっかりと手を洗いましょう。

 インフルエンザもノロウイルスも小さな子どもやお年寄りほど重症になりやすいので、正しい知識と早めの予防が欠かせません。この機会に基本の対策を見直してみてください。寒くなると暖房をつけて部屋を閉めきることが多くなりますが、ウイルスが室内にとどまらないよう換気することも有効です。現在は自分の住む地域や旅行先の流行状況をインターネットで知ることも簡単になりましたので、こちらもチェックしておくといいでしょう。

二瓶 健次 先生

プロフィール


二瓶健次

東北大学医学部卒業。東京大学小児科、自治医科大学小児科を経て、 1979年から2001年まで国立小児病院神経科医長、 2001年から2004年まで国立成育医療センター神経内科医長 、2006年から、東京西徳洲会病院小児センター神経・発達部勤務。 小児神経学、発達神経学が専門。