土橋 信明 先生

総合監修:土橋 信明 先生

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聴力

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先生への相談

1歳の女の子がいるのですが、父母とも音楽が好きで今度ライブを聞きに行く予定です。子どもも連れて行こうと思うのですが、かなりの音響でコンサートが終わった後、大人でもしばらく耳がボーッとなります。子どもの耳への影響はあるのでしょうか?

先生からのアドバイス

イラスト - 土橋先生からのアドバイス

耳元での突然の強大音(爆発音や花火の音、運動会のピストル音など)や、コンサート等で日常生活では聞くことのない非常に大きな音を一定時間聞き続けることで、聞こえの神経(内耳)が障害を受け、音響外傷という難聴を生じることがあります。
コンサート中は周囲の音にまぎれて難聴を自覚せず、終了後に耳がボーッとすることに初めて気づくことが多いようです。ひと昔前にはディスコ難聴やロック難聴とも言われ、軽症の場合、翌日の朝には自然によくなっていることもありますが、症状が改善せず、治療が必要となる例も少なくありません。

治療は、突発性難聴というやはり突然に生じる難聴の病気に準じて、ステロイド剤や循環改善剤、ビタミン剤等の投与を行いますが、最終的に難聴の後遺障害が残ることもあります。赤ちゃんや小さなお子さんでは、自分で症状を訴えることができませんので、大人のかたでも耳がボーッとするくらい大きな音をお子さんに聞かせてしまった場合、そのことが原因で難聴が起きる可能性は否定できません。
むしろお子さんの方が強大音に対する抵抗力が大人より弱い可能性がありますので、残念ながら一緒にコンサートへ行くのは避けることが望ましいと考えます。
仮にどうしても行くとするならば、スピーカーの近くの席は避け、お子さんの耳に大きな音が入らないように耳栓やヘッドフォンで保護するなど、十分注意してあげてください。

土橋 信明 先生

プロフィール


土橋信明

慶應義塾大学卒業後耳鼻咽喉科専修医研修を経て、1991年より国立小児病院、 2002年より国立成育医療センター耳鼻咽喉科医長として勤務。 2003年9月より神谷町耳鼻咽喉科院長、現在に至る。小児耳鼻咽喉科、神経耳科が専門。