「センターの入試」と「英語資格・検定試験」の併用って、どういう意味?

2021(平成33)年1月から実施される「大学入学共通テスト」は、GTECや英検などの英語資格・検定試験を活用する一方、当面は現在の大学入試センター試験と同様にマークシート式の英語試験も出題することになりました。この<併用方式>をどう考えればよいのでしょうか。

現在でも国際標準で目標

センター試験で課しているマークシート式の英語試験は、現在、筆記(試験時間80分、配点200点)と、ICプレーヤーを使ったリスニング(解答時間30分、配点50点)が出題されています。しかし、これでは「聞く・読む・話す・書く」の英語4技能のうち、「聞く・読む」の2技能しか測定することができません。

本来なら「話す・書く」の2技能も共通テストの実施主体である大学入試センターで実施したいところですが、何しろ50万人規模が受けるテストです。国語や数学などに記述式問題を入れるだけでも大変でした。そのうえ、英語4技能の試験も大学入試センターが担うとすれば、試験日程を早めたり、実施や採点に関わるコストをまかなうために受験料を大幅に引き上げたりしなければならないことが、当初から予想されていました。

そこで早くから有力視されていたのが、既に4技能評価に実績のある英語資格・検定試験を活用することです。現在の英語教育でも、国際標準のCEFR(セファール)(ヨーロッパ言語共通参照枠)に換算して中学校卒業時にA1レベル上位、高校卒業時にA2~B1レベルに相当する生徒の割合を50%にする目標を掲げています(どの資格・検定試験でもCEFRとの対照が可能)。今でも国公立、私立の個別入試で、英語資格・検定試験の成果を加味する大学は少なくありません。

ただ、これまでペーパーテストを中心に2技能英語力を見ていた多くの大学にとって、いきなり英語資格・検定試験に全面移行しては、本当にうまく入学者選抜ができるのか不安が根強くあります。受験生を送り出す高校側も、慎重な検討を求めていました。
そこで当面の措置として、現行の学習指導要領の下で行われる2023(平成35)年度(24平成36>年1月実施)までは、現行どおり共通テストでも英語のマークシート式問題を出題することにしました。各大学の判断で、英語に関しては(1)共通テストの問題のみを課す(2)資格・検定試験のみを課す(3)両方を課す……という「選択利用」を可能としたのです。

国立大学は両方を課すことを申し合わせ

注目すべきは、国立大学協会(国大協)が11月10日に開いた総会で、2023(平成35)年度まで一般選抜(現在の「一般入試」を改称)の受験生全員に、共通テストの英語試験と、英語資格・検定試験の両方を課すことを申し合わせたことです。少なくとも国立大学の志望者にとっては、高校3年生になる2020(平成32)年の4~12月中に、英語資格・検定試験を受ける必要が生じます(大学に成績提供されるのは2回まで)。

国大協がこうした申し合わせをしたのも、グローバル人材の育成が急務となっている国立大学では、英語によるコミュニケーション能力の向上が不可欠であり、入学者にも高校で4技能をしっかり身に付けておいてほしい……との考えからです。国立大学と肩を並べる公私立大学にも、影響を与える可能性は高いでしょう。
注意したいのは、あくまで2020(平成32)年度から4技能を英語資格・検定試験で評価するという原則に変わりはないことです。共通テストの実施方針でも、「各大学は、認定試験の活用や、個別試験により英語4技能を総合的に評価するよう努める」と明記しています。

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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